研究課題/領域番号 |
21H00541
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
白畑 知彦 静岡大学, 教育学部, 特任教授 (50206299)
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研究分担者 |
中川 右也 三重大学, 教育学部, 准教授 (10551161)
箱崎 雄子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50351490)
横田 秀樹 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (50440590)
大瀧 綾乃 静岡大学, 教育学部, 講師 (60840676)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 明示的文法指導 / 誤り訂正 / 修正フィードバック / 英語教育 / 第二言語習得 |
研究実績の概要 |
本科研研究の目的は、日本語を母語とする英語学習者を対象に、彼らが英語を学習する際に、教師からの明示的指導や誤り訂正がどれほど効果的であるかを、実験を通して検証し、最終的には、その研究成果を現場での具体的英語指導へ応用することである。この研究目的を基に、本年度は、英語の比較表現を題材に、どの程度、明示的な指導が効果を発揮するのかを調査した。 本実験では、高校1年生と大学1年生に調査対象者になって貰った。高校1年生には中学時に学習する規則変化の比較表現を対象に、大学1年生には、さらに複雑な不規則変化の比較表現を明示的に指導した。 高校1年生への実験結果であるが、明示的指導後、正答率が一気に上昇し、プレテストと直後プレテスト間には有意差が見られた。さらに、15週間後の遅延ポストテスト時においてもほど同じ正答率を維持していることが判明した。したがって、中学校で学習する比較表現は、量をこなせば習熟度が増し、維持する項目であることが判明したのである。大学1年生に対して実施したプレテストにおいて、正答率は予想以上に低かった(15.1%)。さらに、明示的指導をおこなっても、正答率が高い水準にまでは上昇しなかった(40.9%にしか上昇しなかった)。 これらの実験結果は、我々が事前に立てていた仮説を支持するものであった。すなわち、文法規則の内部構造が複雑な項目には、明示的指導や誤り訂正は効果的ではないことが、この実験結果からも支持されたのである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究当初はコロナ禍の影響がまだ残っていたが、その後はおおむね順調に実験などをこなすことができていると思っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、まずはこれまで取り組んできている延長として、英文法への明示的指導、特に、無生物主語構文の習得のための明示的指導の効果を検証したいと考えている。さらに、これまであまり研究がおこなわれて来なかった分野である、日本語を母語とする英語学習者への英語音声への明示的指導と誤り訂正の課題について研究を行っていきたいと考えている。
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