• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

中学英語はいかに定着するか:言語処理技術を援用した学習システム開発と脳科学的検証

研究課題

研究課題/領域番号 21H00545
配分区分補助金
研究機関神戸大学

研究代表者

横川 博一  神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (50340427)

研究分担者 中村 哲  奈良先端科学技術大学院大学, データ駆動型サイエンス創造センター, 教授 (30263429)
田中 宏季  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (10757834)
鳴海 智之  兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (40736154)
濱田 真由  神戸大学, 大学教育推進機構, 助教 (40828696)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード文産出における潜在学習 / 知識コミュニケーション技術 / トップダウン重視型タスク / リテリング / 語彙獲得
研究実績の概要

基礎研究として,言語への反復接触(経験)が言語知識(語彙・音声・統語)の獲得に及ぼす影響,頻度による影響などについて,言語産出の両面において,心理言語学実験を通して,基礎的な行動の変容を明らかにした。
●経験に基づく統語知識の変容(潜在学習 implicit learning)が起こるのか,fMRIを用いた神経心理言語学実験により,任意の文構造に繰り返し接触すると既存知識の重みづけが変化し,その構造を次に予測する可能性(予測エラー)が高まり,その予測エラーの大きさが学習の度合いを反映することなどが明らかになった[Nakagawa et al, 2022]。
●リテリング活動における語彙の習得:リテリングには語彙の使用が重要であるが,語彙がどのように学習され,習得されるのかを心理言語学実験により調査した。その結果,学習者にとって既知語は語彙知識の深さが促進され,未知語は新たに習得されることが明らかになった[関・濱田・横川, 未発表]。
●学習トレーニングシステムに関する理論的基盤の整備:リテリング活動を中核とするパイロット版学習トレーニングシステムを認知的メカニズムの観点からさらに考察を加え,トレーニングシステムの改善と拡張の可能性を実証するための理論的モデルの精緻化を図った[横川・中村・田中・島田・鳴海・濱田, 2022]。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度の言語理解における潜在学習の可能性に続いて,言語産出における統語的プライミングの発現についてfMRIを用いた脳神経科学的データ収集により,言語理解および言語産出の両面において経験による潜在学習の証拠を得ることができた。
また,パイロット版トレーニングシステムの理論的基盤を改善することができ,語彙の使用と習得の側面について実証的研究を行うことができた。
以上のことなどから,おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

音読及びシャドーイングが統語処理の促進(=文法的に正確な発話)にどうつながっているのかを実証することによって,学習トレーニングシステムの精緻化を図る。
また,言語理解において,同一の統語構造への反復接触によって生じる可能性がある統語的プライミング現象が一時的なものであるのか,持続する性質のものであるのかを実証することに追って。さらに学習トレーニングシステムの精緻化を図る。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] The Neural Correlates of Semantic and Grammatical Encoding During Sentence Production in a Second Language: Evidence From an fMRI Study Using Structural Priming2022

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa, E., Koike, T., Sumiya, M., Shimada, K., Makita, K., Yoshida, H., Yokokawa, H. & Sadato, N
    • 雑誌名

      Frontier Human Neuroscience

      巻: 15 ページ: -

    • DOI

      10.3389/fnhum.2021.753245

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 知識コミュニケーション技術を援用した英語学習システムの開発:基盤的英語力の育成をめざして2022

    • 著者名/発表者名
      横川博一・中村哲・田中宏季・島田浩二・鳴海智之・濱田真由
    • 雑誌名

      コンピュータ&エデュケーション

      巻: 53 ページ: 18-23

    • DOI

      10.14949/konpyutariyoukyouiku.53.18

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi