研究課題
コミュニケーション能力を支える言語知識の獲得には、繰り返し練習(プラクティス)が必要不可欠である。しかし、プラクティスによってどのように、コミュニケーション能力を支える認知神経基盤が変容するかは明らかになっていない。本研究の目的は、英語学習の介入トレーニング研究を行い、脳活動をfMRIで計測し、明示的知識(海馬・内側側頭葉)と暗示的知識(大脳基底核)の神経基盤の変容プロセスを解明することである。そして、学習者の明示的・暗示的適性という個人差の特徴によって、プラクティスの方法を最適化できる可能性を探ることにある。本年度は、パイロット実験の準備・実施を行った。パイロット実験では、事前テスト、スピーキング練習課題、事後テストなどの難易度や動作確認などを確認した。具体的には、事前テストとして、MRI内での英語スピーキング課題を作成した。また、英語スピーキング学習では、個人で特定の文法構造に焦点を当てながら、できるだけ正確にかつ流暢に話すために繰り返し練習をしてもらうことで、文法処理が自動化するようなタスクを作成した。事後テストは、事前テストと同じ形式で作成を行った。パイロット実験のデータ分析の方法を検討しながら、本実験への改善を図る。また、行動と脳の両側面から、パイロット実験で得られたデータ解析を行い結果の傾向を確認した後で、本実験の遂行へ移行する予定である。
2: おおむね順調に進展している
本年度は、実験準備を入念に行ったうえで、パイロット実験を実施することができた。
パイロット実験で収集した行動データの分析および脳データ解析を行い、本実験の準備・実施も行う計画である。
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ことばの科学研究
巻: 28 ページ: 1-8
Studies in Second Language Acquisition
巻: 44 ページ: 536~561
10.1017/S0272263121000358