研究課題/領域番号 |
21H00568
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
今津 勝紀 岡山大学, 文明動態学研究所, 教授 (20269971)
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研究分担者 |
寺村 裕史 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 准教授 (10455230)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | レジリエンス / 地域社会 / シミュレーション |
研究実績の概要 |
2023年度は、①岡山大学池田家文庫に収める近世の絵図、現地形などの分析を通じて、高梁川の分流を復元し、あわせて湛井十二ケ郷用水関連の資料の収集と分析を行う。②高梁川に築かれた古代の堰を考えるために、山賀遺跡・久宝北遺跡・古照遺跡・亀井遺跡の堰の遺構を集成し、当該地域に確認できる津寺遺跡の堰についての調査を行う。③古代の灌漑には渡来人の技術が活用されたので、当該地域の渡来人について文献及び廃寺などから痕跡を探るとともに、治水に関与した秦氏の検討を行う。④国際学会・研究会で報告を行う。が当初計画であり、それぞれに応じた研究をおおむね完遂できた。絵図については岡山大学附属図書館池田家文庫加陽郡絵図(T2-93)の高精細画像により、古代の高梁川東分流についての詳細を確認することができた。高梁川東分流と堰の関係を踏まえ、当地の秦氏が果たした役割を具体的に復原することが可能になり、古墳時代中期以降、吉備中枢平野部に集中的に朝鮮半島の渡来民が集住し、人口も増加することが見通せた。本年度は、そうした渡来民の故地である朝鮮半島南部の伽耶地域と吉備との具体的なつながりを検証するために、現地調査を行った。調査は次年度も継続する予定。地域社会に関する研究成果の検証のために第7回古代地域社会史研究会を開催した。2024.3.7には、Demographic and social transformation in ancient Japanを“Multi-disciplinary and Inter-regional Perspectives on environmental History-Towards Comparative Study between Europe and Japan”にて報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画は順調に進行しており、成果の公表も実現している。これまでの成果は、2024年度中に3本の論文にて公表し、学会大会での記念講演1回、海外の学会にて1回発表することになっている。
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今後の研究の推進方策 |
渡来民の集住と人口動態は日本古代社会を考える上で、重要な論点を提供するものである。列島社会の複雑化の視点から、列島各地に伝わるカヤの痕跡と人口動態の相関を検証したいと考えている。次年度はカヤの調査を日本・韓国で継続し、次の研究課題の準備を行う予定。またこの問題に関する一般的な書籍の執筆も予定しており、研究成果の社会への還元を考えている。
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