研究課題/領域番号 |
21H00580
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良大学 |
研究代表者 |
川本 正知 奈良大学, 文学部, 教授 (30192553)
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研究分担者 |
磯貝 健一 京都大学, 文学研究科, 教授 (40351259)
矢島 洋一 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (60410990)
伊藤 隆郎 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (60464260)
近藤 信彰 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90274993)
磯貝 真澄 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (90582502)
熊倉 和歌子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (80613570)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | イェルサレム / ハラム文書 / イスラム法廷文書 / モンゴル時代 / 14世紀イラン社会史 |
研究実績の概要 |
当科研研究は2021年4月にはじまったが、文書を読解していくためにはまず東洋文庫所蔵の2000枚ほどのハラム文書のマイクロフィルムから、この科研で読むPersian文書とPersianate文書42点を選び出して焼き付けて研究分担者が共有しなければならなかった。このためには研究代表者が4月に東洋文庫を訪れて写真を選定してその焼き付けを申請する予定であった。しかし、幸いなことに2021年1月に東洋文庫が所有するマイクロフィルムのPDFが、そのオリジナルの所有者であるカナダのMcGill Institute of Islamic Studiesからオンライン上に上げられた。それをダウンロードし、PDFを全てをJPEGにして、全員が共有するクラウドDropboxの共有ファイルに収納し、それによって全てのハラム文書写真を全員が共有することができた。そして2021年7月から8月にかけて、3週間奈良大学の大学院生1名を雇用してデータベースソフトFile Maker Pro2に、Donald P. Littleによるカタログ(Beirut, 1984)情報とともに全ハラム文書のJPEGを貼り付け、ハラム文書のデータベースを完成させた。 9月以降、Dropboxの共有ファイル中のJPEGおよびデータベースをつかって月一回のペースでZoomによる研究会をひらいて文書を読み進め、現在まで予定の42点の文書中Persian7点、Persianate3点を解読した。 2021年5月に、Zoomによる研究会において研究分担者の伊藤隆郎博士にChristian Muller, Der Kadi und seine Zeugen, Wiesbaden, 2013の内容を詳細に紹介してもらった。 2021年6月24日に、Konrad Hirschler博士を長とするドイツのハラム文書を研究する3人と当研究会8人でシンポジウムをおこない、今後の研究協力について協議した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度はコロナ禍のため対面での研究会が一度ももてず、すべてzoomによるネット会議になったが、分担者たちの協力により月一回の研究会のペースをなんとか維持することができた。 当初予想していたよりも文書読解は進んでいない。それはpersianおよびpersianate文書が書かれているくずし字のアラビア文字の読解が予想をこえる困難さを伴っていたからである。今後文字に慣れていきさえすれば読解の速度はあがると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は昨年度通り月一回のぺースでネット上での研究会をおこなっていく。 2022年9月4日(日)から5日間イェルサレムのIslamic Museumで文書調査をおこない、ハラム文書全体のデジタルデータを購入予定。
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