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2021 年度 実績報告書

ドイツ近現代史における複眼的視点にもとづく史料集作成

研究課題

研究課題/領域番号 21H00585
配分区分補助金
研究機関共立女子大学

研究代表者

西山 暁義  共立女子大学, 国際学部, 教授 (80348606)

研究分担者 芦部 彰  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 講師 (00772667)
小林 繁子  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (20706288)
小野寺 拓也  東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (20708193)
河合 信晴  広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (20720428)
森田 直子  立正大学, 文学部, 准教授 (30452064)
佐藤 公紀  明治大学, 法学部, 専任講師 (70586536)
辻 英史  法政大学, 人間環境学部, 教授 (80422369)
鈴木 直志  中央大学, 文学部, 教授 (90301613)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードドイツ史 / 史料集 / 複眼的視点
研究実績の概要

研究初年度にあたる2021年度は、第1回(2021年4月30日、参加者9名全員)、第2回(2021年7月25日、参加者9名全員)、第3回(2021年11月7日、参加者8名欠席1名)、第4回(2022年2月23日、参加者9名全員)の合計4回の研究会を実施した。
第1回は顔合わせと今後の計画の進め方について協議を行った。第2回は研究代表者から科研の研究目的について改めて説明を行い、史料集作成という本科研の目的をふまえて、ドイツ歴史教育の議論、二国間歴史教科書(ドイツ・フランス、ドイツ・ポーランド)にみられる複眼的視点の展開についての報告が行われ、参加者全員の間で討論が行われた。第3回は、研究分担者により、オランダの歴史教育者による複眼的視点の展開実践とそこにおける問題点についての論考について報告され、さらに認識を深めた。第4回は、第3回における議論をふまえ、ドイツの教育出版社より刊行されているテーマ別のリブレットについて、2名の研究分担者がそれぞれ「三十年戦争」と「ナチ時代の社会」の版を取り上げ、その特徴を分析するとともに、日本における応用の可能性について議論を行った。この教材分析を2022年度も続けていくことが合意されるとともに、本年度実施できなかった外国人研究者を招聘したワークショップの開催への準備も進められることになった。
一方、ペーパーについては、2020年度ドイツ現代史学会のシンポジウムにおいて、研究代表者と分担者1名がおこなった本科研にかかわる報告が論文として来年度刊行されることが決定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績において述べたように、2021年度の主要な課題は、歴史学、歴史教育における複眼的視点とはなぜ重要であり、どのようなものであり、またどのような実践可能性を持ちうるものかという、根本となる部分について、参加者間で認識をすり合わせることであった。これについては、第1回、第2回の研究代表者による論点整理、および第3回、第4回の外国文献、史料集の分析、考察を通して、一定の成果を得たものと考えられる。ただし、それぞれが扱う時代やテーマ、アプローチによって「複眼性」の提示方法、対象の幅については理解の相違があることも確認されたが、このこと自体も複眼的に理解すべきであると考えられ、拙速に1つのフォーマットに収れんさせるべきではないと考えている。いずれにしても、外国における複眼的教材をめぐる議論を通して、最大公約数的な認識の土台はできつつあるといえ、2022年度も各分担者が行う、ドイツで出版された教材分析を通して、それをさらに推進していくことにしたい。

今後の研究の推進方策

上記の項目で述べたように、各分担者がそれぞれ担当する予定の時代、テーマにかかわるおもにドイツの教材(ただしそれ以外の言語についても、ドイツ史、あるいはヨーロッパ近現代史にかかわるものであれば当然対象となりうる)を分析することで、参加者全体における「複眼的視点」についての理解の深化とともに、各分担者の収集する史料、および提示方法、問題設定の行い方についても、より具体的なイメージを構築していくことが期待される。2022年度はまずこれについて、分担者全員が少なくとも1度は報告の機会を持つようにしたい。
さらに、2021年度において検討されたが実現することができなかった研究協力者の招聘については、オンラインの形式をとりつつ、ドイツの歴史教育学の専門家、および歴史教科書対話の当事者に科研ワークショップの枠内で講演を依頼することにしている。これについては、すでに本人の基本的同意を得ており、日程を調整しているところである。

  • 研究成果

    (19件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 5件) 図書 (8件)

  • [雑誌論文] 魔女イメージの変遷2022

    • 著者名/発表者名
      小林 繁子
    • 雑誌名

      社会科の研究(新潟大学教育学部)

      巻: 26 ページ: 28-36

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「歴史総合」への期待と課題2022

    • 著者名/発表者名
      小野寺 拓也
    • 雑誌名

      山川歴史PRESS

      巻: 6 ページ: 1-5

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] クリストフ・ナイハード「プロパガンダか,やっつけ仕事か─メディアの信頼を掘り崩しているのは誰か?」2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤 公紀(訳)
    • 雑誌名

      ドイツ研究

      巻: 56 ページ: 34-38

  • [雑誌論文] ティルマン・アレルト『ドイツ式敬礼』2021

    • 著者名/発表者名
      小野寺 拓也
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 50(1) ページ: 177-183

  • [雑誌論文] 感情史とは何か2021

    • 著者名/発表者名
      森田 直子
    • 雑誌名

      臨床心理学

      巻: 増刊第13号 ページ: 67-72

  • [学会発表] ドイツ帝国のナショナルとトランスナショナル2021

    • 著者名/発表者名
      西山 暁義
    • 学会等名
      早稲田大学ナショナリズム・エスニシティ研究所 (WINE)オンライン講演会「帝政期ドイツの国民形成・国家形成・ナショナリズム」
    • 招待講演
  • [学会発表] 感情史研究の射程―ナチ体制における「感情政治」と感情的発話2021

    • 著者名/発表者名
      小野寺 拓也
    • 学会等名
      日本法哲学会学術大会 2021年度学術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 歴史学とはどのような学問なのか―武井彩佳『歴史修正主義』を通じて2021

    • 著者名/発表者名
      小野寺 拓也
    • 学会等名
      WINEオンライン講演会「歴史と法:歴史修正主義的な言説とどう向き合うか」
    • 招待講演
  • [学会発表] 東ドイツの住宅問題(1979~89年)と社会国家性2021

    • 著者名/発表者名
      河合 信晴
    • 学会等名
      現代史研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 近世プロイセン軍の連隊長人事と帝国諸侯2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木 直志
    • 学会等名
      比較国制史研究会
  • [学会発表] 感情史における「はざま期」─共感を手がかりに2021

    • 著者名/発表者名
      森田 直子
    • 学会等名
      上智大学ヨーロッパ研究所講演会
    • 招待講演
  • [図書] 近現代ヨーロッパの歴史―人の移動から見る―2022

    • 著者名/発表者名
      北村暁夫・中嶋毅編、西山 暁義共著
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      放送大学教育振興会
    • ISBN
      978-4-595-32323-2
  • [図書] 歴史の中の個と共同体2022

    • 著者名/発表者名
      松本悠子・三浦麻美編、鈴木 直志共著
    • 総ページ数
      528
    • 出版者
      中央大学出版部
    • ISBN
      978-4805742150
  • [図書] 詳述 歴史総合2022

    • 著者名/発表者名
      木畑洋一, 成田龍一, 小澤弘明, 江川ひかり, 三ツ井崇, 茂木敏夫, 長谷川貴彦, 松原宏之, 小野寺拓也, 大串潤児, 石居人也, 高岡裕之, 戸邉秀明, 奈良勝司, 松木謙一, 黒河潤二, 西村嘉髙, 江連恭弘, 渡辺哲郎
    • 総ページ数
      262
    • 出版者
      実教出版
    • ISBN
      978-4-407-20478-0
  • [図書] European Culture and Identity since Homer, 3 vols.2021

    • 著者名/発表者名
      Etienne Francois and Thomas Serrier (eds.) Akiyoshi Nishiyama 共編著
    • 総ページ数
      394 (vol.1)+448(vol.3)
    • 出版者
      Bloomsbury
    • ISBN
      978-1350058668
  • [図書] 岩波講座 世界歴史 01 世界史とは何か2021

    • 著者名/発表者名
      小川幸司編、西山 暁義共著
    • 総ページ数
      342
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      978-4000114110
  • [図書] フィールドから考える地域環境(第2版)2021

    • 著者名/発表者名
      小島聡・西城戸誠・辻英史編著
    • 総ページ数
      378
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      978-4623091119
  • [図書] めぐりあう文学部2021

    • 著者名/発表者名
      辻 英史(共著)
    • 総ページ数
      121
    • 出版者
      慶応義塾大学文学部
  • [図書] バーバラ・H.ローゼンワイン/ リッカルド・クリスティアーニ『感情史とは何か 』2021

    • 著者名/発表者名
      森田 直子(共訳)
    • 総ページ数
      258
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784000614504

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公開日: 2022-12-28  

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