研究課題/領域番号 |
21H00587
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
齋藤 晃 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 教授 (20290926)
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研究分担者 |
近藤 康久 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 准教授 (90599226)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ラテンアメリカ / ペルー / ボリビア / 植民地時代 / 史料学 |
研究実績の概要 |
本年度の研究では、スペインとラテンアメリカの図書館・文書館におけるタサの現存史料の探求と収集、および収集した史料に基づくデータベースの構築を優先的に進めた。 まず前者についてだが、新型コロナウイルスの流行を踏まえて、文献調査は当該国に在住する海外共同研究者に担当してもらった。成果としては、スペインのセビーリャ大学図書館とペルー国立図書館において、新史料を発見し、コピーを入手することができた。未刊史料はもちろん、既刊史料に関しても、解読ミスや誤植を避けるため、オリジナルのコピーを入手した。過去に収集した史料についても、紙のコピーやフィルムのものはデジタル化を進め、研究チームによるデータ共有と共同作業の便宜をはかった。 データベースの構築については、本年度はレパルティミエントとレドゥクシオンのふたつに焦点を絞り、史料に記載された関連情報を網羅的に抽出し、容易に参照可能なかたちに整序した。また、ネットワークグラフ型総覧図の作成に必要な情報のみをとりまとめた特化型データベースも別途、作成した。そのネットワークグラフについては、情報システムを専門とする業者の協力を仰ぎながら、具体的な構想を固めた。 スペイン統治下のアンデスにおいて最初のタサを生み出した1570年代の「近代的」行政改革については、国内外の専門家と協力して、英語の論文集を刊行する準備を進めた。スペイン語原稿については、業者に依頼して英語に翻訳した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの流行により図書館・文書館の利用が困難になることが懸念されたが、さいわい、大きな支障をきたすことなく、文献調査を進めることができた。データベースの構築についても、設計の段階で十分な議論を積み重ねたおかげで、関連情報を効率的に整序することができた。
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今後の研究の推進方策 |
タサの現存史料の収集とデータベースの構築を当初の計画どおりに進めることができたので、今後の研究では、専門業者の協力を得て、ネットワークグラフ型総覧図の作成を本格的に推進する。また、英語の論文集の刊行準備も進める。
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