研究課題/領域番号 |
21H00598
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
有村 誠 東海大学, 文学部, 教授 (90450212)
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研究分担者 |
丹野 研一 龍谷大学, 文学部, 准教授 (10419864)
千本 真生 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (10772105)
本郷 一美 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 准教授 (20303919)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | コーカサス / アルメニア / 中石器時代 / 銅石器時代 / 新石器化 / 黒曜石 |
研究実績の概要 |
1.レルナゴーグ遺跡の発掘:2017~2019年度にかけて発掘を行っていたレルナゴーグ遺跡の発掘を再開した。本年度の発掘の目的は、1)銅石器時代の文化層(1期)の精査を行い、良好な考古資料を得ること、2)中石器時代の文化層(2期)で確認されていた粘土遺構の構造を明らかにすること、並びに良好な考古資料を得ることであった。中央発掘区を拡張し、中央発掘区西側と東側の2か所で発掘を行った。さらに、遺跡東端に2x2mの試掘坑を設けて(東発掘区)、遺跡範囲の確認や堆積層の観察を行った。 【中央発掘区】:東側で2期の粘土遺構の精査を行った。その結果、遺構は粘土ブロックと礫を合わせてっ作った建築物であることを確認した。これらの建築遺構を取り外し、さらに掘り下げたところ、かなり硬く締まった粘土層を確認した。おそらく自然の粘土層と思われ、この粘土層の直上に、前記の建築遺構が構築されていると思われる。遺物としては、黒曜石製石器が数多く出土したが、それ以外の資料は得られなかった。すべての土壌でフルイがけを行い、いくつかの箇所で、水洗選別も行ったが、植物や動物の遺存体を得ることはできなかった。西側において、あらたに掘り下げた。層位的には銅石器時代の文化層であったが、若干の黒曜石製石器が出土するほかは、ほとんど遺物が出土しなかった。その後、さらに掘り下げたところ、東側で確認されているものと同じ粘土層に到達した。 【東発掘区】:深さ1.5mまで掘り下げたが、すべてが自然堆積層であった。この結果からレルナゴーグ遺跡の中心は、中央発掘区付近である可能性が高い。今後、遺跡範囲を確定するためにさらに試掘調査が必要である。 2:レルナゴーグ遺跡出土考古資料の分析:石器、動物骨、土器の分析を進めた。動物骨、炭化物、土器はサンプルを日本へ持ち帰り、分析を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のために発掘が休止していたレルナゴーグ遺跡の調査を再開できたが、予定していたハンジャン・ブルールの調査に諸般の事情により着手することはできなかったので、上記の評価となった。
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今後の研究の推進方策 |
フィールドワークとしては、レルナゴーグ遺跡の調査を終了させ、より良好な堆積層があると思われるハンジャン・ブルールの調査に着手する予定である。あわせて、レルナゴーグ遺跡から出土した考古資料の分析を進めていく。
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