研究課題/領域番号 |
21H00604
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 沖縄国際大学 |
研究代表者 |
宮城 弘樹 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (70757418)
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研究分担者 |
渡辺 美季 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (60548642)
山田 浩世 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 研究員 (00626046)
武井 基晃 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00566359)
竹中 正巳 鹿児島女子短期大学, その他部局等, 教授 (70264439)
日下 宗一郎 東海大学, 人文学部, 講師 (70721330)
片桐 千亜紀 九州大学, 比較社会文化研究院, 共同研究者 (70804730)
前川 佳文 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, 主任研究員 (80650837)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 歴史考古学 / 琉球 / 近世 / 墓 / 厨子 / 学際的研究 / 人骨 / 銘書 |
研究実績の概要 |
本研究は、主として琉球王国時代の葬墓制資料から琉球史を再構築することを目的とする。対象とする葬墓制資料とは、墓の出土品、葬儀に関わる古文書、あるいは民俗調査記録などの総称として用いる。主に①銘書及びその周辺の文書や金石文資料を用いた身分、中央と地方、家族史など近世社会に焦点をあてた実践的研究。②被葬者である人骨等資料を用いた理化学的分析と食事や健康、婚姻や子ども、平均余命やライフコースに焦点をあてた研究。③葬墓制資料のデータ化を推進し、地域や時代ごとの比較資料の拡充。④文化財科学による顔料や漆喰などの分析及び画像の解析などの博物館等収蔵資料の鮮鋭化及び資料化と分析。本研究は、考古学にはもとより文献史学、民俗学、自然人類学、保存科学の垣根を越え、新しい琉球史の再構築を目指すことを目標としている。 本年度は、赤外線カメラを購入し、厨子(蔵骨器)記載の銘書(ミガチ)の判読などの試験的作業を行った。陶器や石に記載された銘書の判読率を少なからず上げることができることを確認した。 また、厨子4,500点、銘書3,100件を用い、死亡・洗骨年が記された紀年銘厨子を利用し厨子の型式学的検討を行った。加えて、死去年の件数から人口動態研究を試みた。 結髪資料を用い、琉髪文化に迫るべくエックス線CTスキャンを行うとともに、毛髪の炭素窒素同位体比分析を行った。 なお、2021年11月13日沖縄国際大学南島文化研究所(オンライン開催)において、本研究に関わる代表者、分担者・研究協力者の一部を講師とし「葬墓制からみる近世社会-祖先と子孫の対話-」のタイトルの市民向け講座を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は当初予定していた墓調査がコロナの影響で実施できなかったが、博物館の収蔵資料の調査を実施しデータの拡充を図ることができた。また結髪資料などの分析調査をはじめて実施することができた。 銘書を使った分析では、死去年件数をカウントし、通時的にその数量変化をみることで、人口動態に迫る研究に着手することができた。課題も明確になったため、研究期間内にこれらの課題についても取り組む計画である。 研究会等は、当初対面で行う予定であったが、オンラインでも分担者及び研究協力者間の調整が充分に図られている。一部調査がコロナ感染者の急増で延期となったが、概ね計画通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き博物館収蔵資料の収集を図るとともに、コロナ感染状況を見極めながら、墓調査を計画していく。 銘書を用いた人口動態の研究では、家譜データとの比較することが望ましく、銘書が描く志望クライシスが、家譜からも読み取れるかどうかについて検討していく方向である。 出土結髪以外にも、厨子(蔵骨器)と人骨及び銘書を用いた遺物の検討として指輪の検討を計画する。 出土結髪の分析及び、文化財科学、人骨の研究についても適宜資料を選抜した上で、分析研究を予定する。
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