研究課題/領域番号 |
21H00648
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
門田 岳久 立教大学, 観光学部, 准教授 (90633529)
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研究分担者 |
周 星 神奈川大学, 国際日本学部, 教授 (00329591)
島村 恭則 関西学院大学, 社会学部, 教授 (10311135)
及川 祥平 成城大学, 文芸学部, 准教授 (30780308)
松田 睦彦 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (40554415)
加賀谷 真梨 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (50432042)
田村 和彦 福岡大学, 人文学部, 教授 (60412566)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | モノ / 物質文化 / 権力 / インフラストラクチャー / ジェンダー / 民具 / マテリアリティ / 生業 |
研究実績の概要 |
本研究は、近年の民俗学において発展をみた日常化の理論や物質文化研究の視点を用い、新たなモノが「当たり前の存在」になる過程を観察しつつ、物質性と権力性の相関を検討することを目的とする。2021年度はパンデミックのため所定のフィールドワークが十分になしえなかったが、その中でも3回のオンライン研究会を実施し、各分担者の研究課題の検討を行うとともに、博物館と物質文化研究に関するレビュー発表、日本の民俗学における民具教育などに関する研究報告を行った。2022年3月には共同調査として、新潟県佐渡市の巡検を行った。佐渡島では1970年代に住民運動として民具の収集活動が行われ、日本の民俗学史に残る物質文化研究の集積があった。巡検では戦後民俗学における民具研究の展開を、地域住民の活動、生活学や民具学などの新たな学術活動などと接合させるための資料収集ならびに意見交換を行った。以上の研究成果は各メンバーの業績に示されているとともに、本科研グループで発行する研究成果報告集『日常と文化』10号にて公表を行った。 更に、2021年度研究費繰越として、2022年度には各自で現地調査や文献調査を実施するとともに、それらを踏まえた研究成果公表を行った。その一環として、2022年7月に日中民俗学学術交流ワークショップ 「現代社会における民俗と現代民俗学」が開催され(日本民俗学会・中国民俗学会共催)、研究代表者のほか、分担者の周・加賀谷・田村が研究報告やコメントを行い、東アジアにおける物質文化研究の現代的課題について意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は新型コロナウイルス感染症のため所定の現地調査が十分にできたとは言いがたく、とりわけ国内の農山村における対面的調査においては困難が生じた。また海外調査に関しても水際対策の面で不可能であった。その中でも従前から計画していた文献研究、資料収集をもとにした研究会は、オンラインミーティングツールを活用することでむしろ想定以上に進展し、かつ、さまざまな状況によって比較的時間的余裕を確保できたメンバーも多いことから、論文等の研究成果公表も想定以上に進んだため、上記区分であったと言える。
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今後の研究の推進方策 |
従前通りオンライン研究会を続けるとともに、研究成果報告集『日常と文化』11号(2023年3月発行予定)の準備を進め、かつ、新型コロナウイルス感染症の流行終息とともに国内外での現地調査を本格的に推し進める。
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