研究課題/領域番号 |
21H00655
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
鈴木 紀 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (40282438)
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研究分担者 |
本谷 裕子 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (30407134)
細谷 広美 成蹊大学, 文学部, 教授 (80288688)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 文化人類学 / 芸術 / ラテンアメリカ / 民衆芸術 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、現代のラテンアメリカにおける民衆芸術の動態を解明することにある。令和4年度は、研究代表者と分担者2名が以下の通り、それぞれ民衆芸術の事例研究を進めた。 鈴木紀(研究代表者):メキシコ、グアテマラ、ペルー、チリの民衆芸術について国内で聞き取り調査を行った。9月にグアテマラのマヤ民族衣装の剽窃問題に関する聞き取り、10月にメキシコの民衆芸術である死者の日の祭壇に関する情報収集と実際に作成する作業の見学、11月にペルーの音楽分野の民衆芸術である現代風にアレンジしたアンデス民謡を演奏するミュージシャンへの聞き取りを実施した。3月には鈴木が所属する国立民族学博物館の特別展「ラテンアメリカの民衆芸術」の開幕にあわせて研究会を開催し、チリの社会運動の専門家とメキシコのストリートアートの専門家を招聘して、政治的メッセージをもつ民衆芸術の展開について意見交換を行った。。 細谷広美(研究分担者):ペルーの民衆・民族芸術のグローバル化及び民族・民衆芸術とアート(芸術)との関係に関する調査を行った。8月に2週間ペルーに行き、クスコとリマでペルーの民衆芸術と現代美術に関する資料収集を行った。 本谷裕子(研究分担者):メキシコおよびグアテマラで民衆芸術制作の政治的な関心について調査を行った。7月から8月にかけてメキシコ、オアハカ州でサンフランシスコ・タニべ集落の女性刺繍グループ「タニべ蟻刺繍」に関する情報収集を行った。同グループの刺繍はアメリカ合衆国への非合法移住が被る非人道的な出来事を描いているが、それは彼女たちの家族が実際に体験していることに他ならないことが明らかになった。8月中旬はグアテマラに移動し、民族衣装のファストファッション化を批判する「織り手たちの全国運動」に関する情報収集と、同運動の活動状況を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型ウイルス感染症の世界的蔓延は続いており、研究代表者の鈴木は現地の事情がわかりにくい南米のスリナム国での調査を保留し、代わりに国内でインタビュー中心の調査を実施した。 研究分担者の細谷と本谷は、多少支障はあったが、それぞれの調査地であるグアテマラとペルーでの調査を再開した。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症も収束傾向にあるため、次年度は海外からの研究者の招聘と海外での調査を積極的に進めていきたい。
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