研究課題/領域番号 |
21H00660
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
下井 康史 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (80261262)
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研究分担者 |
稲葉 馨 立正大学, 法学部, 教授 (10125502)
植野 妙実子 中央大学, その他部局等, 名誉教授 (20151821)
松戸 浩 立教大学, 法学部, 教授 (30292189)
晴山 一穂 専修大学, その他部局等, 名誉教授 (50106952)
渡邊 賢 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (50201231)
皆川 宏之 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (50375606)
奥 忠憲 駒澤大学, 法学部, 講師 (50805314)
清水 敏 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 名誉教授 (60136207)
田村 達久 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (60304242)
早津 裕貴 金沢大学, 法学系, 准教授 (60732261)
島田 陽一 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (80162684)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 国家公務員法 / 地方公務員法 / 公務員法制の射程 / 勤務条件決定システム / 任免システム / 権利救済システム / 非正規公務員 |
研究実績の概要 |
研究初年度(令和3年度)は、日本公務員法の現状分析を中心に行い、適宜、外国法の研究を並行して実施した。それらの成果の一部は、本研究の代表者及び研究協力者を中心メンバーとする研究会(公務員法研究会)で報告され、そこでの意見交換を通じて互いの知見が高められた。 令和3年度、同公務員法研究会は、オンラインにて4回の研究会を開催した。報告実績は、①清水敏「会計年度任用職員と給与勧告」(令和3年6月12日)、②早津裕貴「「非正規」公務員をめぐる現代的課題」、③下井康史「「非正規」公務員をめぐる法的課題--公法学の観点から--」(同年9月4日)、④稲葉馨「公務員定年制の歴史的一考察」、⑤奥忠憲「フランス公務員参加法における協定法制に関する考察―2021年法改正による法的効力付与を中心に」(同年12月4日)、⑥植野妙実子「経済産業省トランスジェンダートイレ使用措置要求事件・東京高判令和3年5月27日」、⑦渡辺賢「統治機構問題としての公務員の労働基本権・覚書」(令和4年3月5日)である。②と③は、本研究の研究協力者以外の実務家とともに行われ、上記研究会での議論を踏まえて、令和3年11月7日にオンラインで開催された日本労働法学会第138回大会ワークショップ第二部第二会場及び令和4年1月22日にオンラインで開催された関西労働法研究会でも報告された。前者の報告内容の概要は、日本労働法学会誌135号(令和4年)に掲載されることが決定している。 その他、皆川宏之は、令和3年3月6日の公務員法研究会で「浅口市事件・岡山地倉敷支判平成30年10月31日判時2419号65頁」をテーマとする報告を行っていたところ、その内容は、下井康史のコメントとともに、令和4年度中に季刊労働法誌に掲載の予定である。 以上のような研究により、現行実定公務員法が抱える問題点の一部を抽出し、抜本的改革の要否の考察が進められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、我が国の実定公務員法が、制定から70年余りを経過し、公務員法を取り巻く状況が大きく変化していること、とりわけ、制度の建前と実態の乖離という同法の抱える問題点が進行・複雑化し、また、関連領域における法制度・学説・判例は著しく変化していることを踏まえ、現行実定公務員法が、かかる変化に適応したものとなっているのか、検証が必要であるとの問題関心から、行政法・労働法・憲法の各研究者が協働し、かつ、英米独仏との比較法研究を踏まえて、公務員法制度の抜本的な改革を検討しようというものである。取り扱うテーマは、主として、1.公務員法制の射程と内実、2.勤務条件決定システム、3.任免システム、4.権利救済システムであり、これら各論点につき、現行実定公務員法の問題点を抽出し、比較法研究の知見を活かした解決策を、解釈論・立法論の両面から提言することを目的とする。 かかる目的の下、令和3年度は、上記各テーマに関する日本法の問題点を探るべく、各メンバーが、それぞれ固有の問題関心に基づき、具体的なテーマを取り上げ、分析・検証・考察を進めた。とりわけ、上記各テーマに共通する問題である非正規公務員問題を中心に取り上げた。以上の成果は、上記公務員法研究会や学会での報告を通じて発表し、さらには、一定数の論攷で公表することができている。 また、上記公務員法研究会では、多方面からの知見を得るべく、本研究のメンバー以外の研究者等による報告も適宜実施している。 新型コロナウイルスの影響で対面式の研究会や現地調査などは実施できていないが、研究会や学会はオンラインで実施されている。 以上のことから、研究の目的はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度以降の研究推進予定は以下の通りである。 まず、日本法については、引き続き、1.公務員法制の射程と内実、2.勤務条件決定システム、3.任免システム、4.権利救済システムを主たる対象として、現行実定公務員法が抱える制度上・運用上の問題点を洗い出す。その他、判例研究等を通じて、上記4点以外の新たな問題点の発見に努める。研究成果は、適宜、公務員法研究会等で検証する。また、同研究会では、多方面からの知見を得るべく、引き続き、本研究のメンバー以外の研究者等による報告も適宜実施していく。 次に、同時に、上記4点に関する比較法的分析も並行して実施する。その際、資料収集・文献研究のほか、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、適宜、米英仏独各国への現地ヒアリング調査も実施する。同調査に際しては、既知の現地研究者の協力を得た上で、現地においても、本研究と同様の分野横断的かつ国際的な議論を実施できるよう準備する。調査の成果は、公務員法研究会で報告する。 以上を踏まえ、わが国の実定公務員法制の抜本的改正の要否の検討、及び、これが必要とされる場合の理論的視点を精査し、その成果は、逐次、公務員法研究会で報告し、また、学会報告などの実施も検討する。
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