研究課題/領域番号 |
21H00661
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
本 秀紀 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (00252213)
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研究分担者 |
村田 尚紀 関西大学, 法学部, 教授 (00210047)
愛敬 浩二 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (10293490)
大河内 美紀 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (20345838)
斎藤 一久 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (50360201)
植松 健一 立命館大学, 法学部, 教授 (90359878)
小牧 亮也 岐阜大学, 地域科学部, 助教 (90836040)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ポピュリズム / 市民運動 / 議会内少数派 |
研究実績の概要 |
22年度は、研究計画に従い、4度の研究会を開催するとともに、2カ国で資料収集・研究報告を行なった。 研究会は6月、9月、12月、23年3月に開催し、ドイツ、アメリカおよびフランスの各国のポピュリズムの進展状況について、憲法学の視点から検討を行なった。また、政治学における民主主義論の動向に関する検討および教育の領域におけるポピュリズムの進展に関する検討も行なった。 このうち、ドイツについては、議会内少数派の位置付けをめぐる制度論・機能論が紹介され、その意義と限界が示された。アメリカについては、「水への権利」をめぐるコミュニティの意思決定という具体的課題と、ポピュリスト立憲主義の主要な論者の1人サイドマンの議論の批判的検討という理論的課題とに向き合う2本の報告が行われた。草の根民主主義の伝統の強いフランスについては、黄色いベスト運動など近時のポピュリズム的運動体の実態分析がなされた。各国は、制度的民主主義において異なる特徴を有しており、それがポピュリズムの現象形態にも結びついていることを、これらの検討を通じて明らかにした。 また、海外での資料収集および研究報告は南アフリカとモンゴルでそれぞれ実施した。 さらに、22年度は、これら計画に沿った研究を進めた他、他の学会・研究会と共同して、歴史分析の観点を加えたマルクス主義法学に関する著作の合評会を行った。日本国憲法制定以前に存在したマルクス主義法学の潮流を学説史の形で緻密に分析した著作を多角的に検討することで、現代ポピュリズムに対峙する理論的視座を獲得することを目的としたものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画に沿って研究会を開催し、調査・報告を行なっている。しかし、コロナ禍後、移動の便宜が十分に確保できていない状況で、研究会の対面開催や海外調査については十分とは言えず、研究にやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は、23年度までと同様に定期的に研究会を開催するほか、海外の研究者をゲストとして迎える国際ワークショプを開催した上で、これまでの研究を取りま とめを行う。ワークショップについては、すでに準備に着手しており、英米独仏西の各国のポピュリズム状況を統一テーマから検討する予定である。その上で、 各国が個別にポピュリズム状況を生み出している原因を明らかにし、それに対する憲法学としての対処方法を具体的に示す予定である。
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