研究課題/領域番号 |
21H00669
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
小塚 荘一郎 学習院大学, 法学部, 教授 (30242085)
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研究分担者 |
松中 学 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (20518039)
木戸 茜 富山大学, 学術研究部社会科学系, 講師 (30803043)
梅村 悠 上智大学, 法学部, 教授 (50439329)
胥 鵬 法政大学, 経済学部, 教授 (60247111)
曽野 裕夫 北海道大学, 法学研究科, 教授 (60272936)
松井 智予 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (70313062)
大杉 謙一 中央大学, 法務研究科, 教授 (80233112)
高橋 秀朋 法政大学, 経済学部, 教授 (90583659)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | コーポレートガバナンス / 契約ガバナンス / サステナビリティ / 実証研究 / 法と経済学 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、研究期間の初年度であるため、課題に関する基礎的な研究を進めることとした。 第一に、日本企業のサステナビリティに対する取り組みについて、コーポレートガバナンス全般についての考え方、とくに取締役会・監査役会(ボード)の機能に着目しつつ、分析を行った。その結果、後掲の松中論文(ジュリスト1563号)、松井論文を刊行することができたほか、小塚が国際シンポジウムで報告を行った。そのほか、松中、松井、梅村が公開企業のガバナンスに関する基礎的な論文等を公表した。 第二に、胥と高橋が経営者の幼少期の戦争体験が企業収益、投資及びM&Aなどの企業財務意思決定に対する影響を明らかにする論文を公表した。これは、今後、このアプローチを応用して経営者の環境問題体験のESGスコアに対する効果を検証することを可能にするものである。また、胥が、日本の少子高齢化の企業の退出のあり方に対する効果を検証し、持続可能な経済成長のために、女性や高齢者の活用がESG投資の重要な要素になると示唆する結果が得られた論文を公表した。 第三に、研究協力者の杉山が、日本の上場企業のボードにおける女性役員の実態調査を行い、それをふまえて論文の作成及び学会報告を行った。なお、杉山はこの研究の成果等により博士研究員の資格を得たため、令和4年度より研究分担者に加わることとなった。 第四に、サプライチェーンにおける人権やサステナビリティの確保について、実務家からヒアリングを行ったうえで、曽野が企業間契約に関する基礎的な課題を解明する論文執筆と学会報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では、初年度は基礎的な研究・調査を着実に行う予定であったが、6.に記載のとおり、すでにいくつもの研究成果を上げることができた。計画していた実務家のヒアリングは予定どおり実施し、また海外の研究者との会合は、国際学会への出席によって想定以上の効果を持って実現することができた。
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今後の研究の推進方策 |
第2年度にあたる令和4年度は、令和3年度と同様の理論研究を、会社法に関して進めるとともに、①実証分析として、CDP(気候変動等のサステナビリティに関する企業の取り組みを評価しているNGO)のデータを購入し、企業のサステナビリティに対する取り組みとパフォーマンスの関連等を分析すること、②企業の人権デューデリジェンスやサプライチェーン管理に関して実務家を聴衆に含む場で講演等を行い、実務との対話を実施すること、③契約法の分野においても理論研究を継続し、できれば何らかの成果を公表すること、を目標としたい。
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