研究課題
2021年度は初年度であったが、新型コロナ感染症の流行が引き続き、海外渡航・招聘が困難な中、予算執行と活動を2022年度まで繰越しつつ、できる範囲での研究活動を開始してきた。タイの長期経済統計の推計整備については、残る課題を精査し担当者による国内研究会合を3回実施した。農業生産についての推計がほぼ終了し、また統計制度、工業・サービス部門など各分野における基礎統計のとりまとめが大幅に進捗した。タイの金融・資本については、コロナ禍の下で進む金融セクターの変調を捉えるべく研究テーマを拡張し、現地での聞き取り調査を行うとともに、地方におけるスマホをプラットフォームとした決済・金融の実状を調査した。ラオスの金融構造については、大企業の資金調達行動についての研究の取り纏めを進め、国際学会で報告された。また、ラオスの小規模金融に関する研究を進めるべく現地調査を行った。東アジアの長期経済成長の比較研究として、研究分担者の深尾を中心に多くの研究成果が出版にたどり着いた。研究分担者の町北は、タイ、ラオスを対象とする技術移転についての研究を進める一方、コロナ禍における外国人労働者の就労環境についての研究をすすめ、ディスカッション・ペーパーの出版を行った。2021年度は海外渡航がまったくできない状況であったが、繰り越した研究財源によって2022年度には複数の現地調査と、国際研究集会への参加を実現し、研究活動の正常化に向けて動き出している。
3: やや遅れている
コロナウイルス感染症の影響が、2021年度には深刻で、繰越年の2022年度になっても完全には解消しなかったため、現地調査、海外招聘による研究集会の開催などが順繰りに遅れている。渡航制限が緩和されてきたため、遅れを取り戻しつつある。
現地調査や研究集会の開催参加の回復を加速させながら、当初の計画に沿って推進していく。2023年度は、4年間のプロジェクトのうちの3年目にあたるので、これまでの個別の研究の成果をとりまとめて、東南アジアの比較制度分析の枠組みを析出することを目指す。そのために、現地調査等を引き続き推進しながらも、定期的な研究集会の開催を重視して進めていく。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 6件、 オープンアクセス 5件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
アジア研究
巻: 67 ページ: 18~34
10.11479/asianstudies.67.1_18
東南アジア研究
巻: 59(1) ページ: 224~228
10.20495/tak.59.1_224
Asian Economic Papers
巻: 20 ページ: 193~194
10.1162/asep_a_00830
Journal of Economic Surveys
巻: 35(3) ページ: 710~740
10.1111/joes.12419
in eds., by Broadberry, Stephen and Kyoji Fukao, The Cambridge Economic History of the Modern World, Volume II, 1870 to the Present, Cambridge University Press
巻: II ページ: 100~128
10.1017/9781316671603.005
社会経済史学会(編)『社会経済史学辞典』丸善出版 第1章社会経済史学の歴史と方法
巻: - ページ: 32-33
Review of Income and Wealth
巻: 67(2) ページ: 445~480
10.1111/roiw.12465
The Economic History Review
巻: 74(1) ページ: 164~180
10.1111/ehr.13021
IDE Policy Brief
巻: 148 ページ: -