研究課題/領域番号 |
21H00758
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
高嶋 克義 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (30197090)
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研究分担者 |
南 知惠子 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90254234)
結城 祥 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (10554321)
平野 光俊 大手前大学, 現代社会学部, 教授 (10346281)
松尾 睦 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (20268593)
西村 順二 甲南大学, 経営学部, 教授 (60198504)
小宮 一高 兵庫県立大学, 国際商経学部, 教授 (90335836)
清水 信年 流通科学大学, 商学部, 教授 (70330529)
金 昌柱 立命館大学, 経営学部, 教授 (40580501)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 小売業 / 仕入活動 / プロセス革新 / マーチャンダイジング / 組織構造 / 企業間関係 / 情報化 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、小売企業が仕入活動におけるプロセス革新を通じて競争優位性を構築する行動を考察することにある。2021年度では、小売チェーン企業を対象とする質問紙調査による定量的データに基づく小売企業の仕入活動におけるプロセス革新に関する仮説の検証を行い、小売企業の仕入プロセス革新が小売企業の組織的な諸要因によって規定される局面に関する分析を行った。具体的には、Kim, Miao & Hu (2021)において、小売企業間の共同仕入組織での戦略的な取組みが、小売企業のマーチャンダイジング活動の情報化を伴うことで高い経営成果をもたらすことを明らかにしている。 また、Lo, Brahm, Dessein & Minami (2022)では、小売企業の組織的条件の中でも管理者における管理様式に焦点を合わせ、その管理様式が管理者の課業への注目に関する能力の影響を受けることを明らかにした。すなわち、この実証研究において、小売企業の管理者が諸課業領域に注目する能力が低い状況では、管理者に専門性がある課題領域に注意を払うような管理様式を取るのに対して、管理者が諸課業に注目する能力が高い状況では、逆に、管理者は専門性の少ない領域に注意を向けるような管理様式を取ることを明らかにした。 そして、プロセス革新を支える組織的条件の一つである人材育成の課題に関しては、従業員の動機付け、エンプロイアビリティ(被雇用能力)、満足の視点から、Matsuo (2021) などの研究が行われ、丸子・平野 (2021)では、働きがいの視点からの研究が行われた。さらに、小売企業の仕入プロセス革新に関する仕入先との取引関係による影響に関しては、西村 (2022)が小売企業の仕入革新に影響を及ぼす卸売市場の研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定量的なデータの分析作業をはじめとする本研究課題に関する研究は順調に行われ、2021年度における研究の成果が海外の査読雑誌に掲載となり、研究成果の海外への発信という点での実績が積み上がりつつあるため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度においては小売企業の仕入戦略や仕入プロセス革新に関する事例研究や小売企業の仕入活動に関する理論研究を進めるとともに、これら諸研究に基づいた仮説モデルを検証する定量的な実証分析を中心に、研究代表者と研究分担者との共同でさらに進めることにする。そのうえで、小売企業の仕入活動におけるプロセス革新が小売企業の組織的条件によって規定されるという理論モデルを実証的に検証し、その理論モデルの洗練化と確立を目指して研究を進め、その研究成果を公表していくことにする。 そして、これまでの本課題の研究において、小売企業における共同仕入組織による仕入プロセス革新が展開されることや組織構造によるプロセス革新への影響が示唆されることから、2022年度でも、共同仕入組織や組織構造を仕入プロセス革新と関連付けた研究を進めることにする。これらの領域の研究については、高嶋、南、金が中心となって取り組む計画である。 また、2022年度では、企業組織構造に加えて、仕入担当者の人的資源管理様式などの組織管理の要因がプロセス革新をいかに動機付けるのかという視点での実証分析を進める計画であり、この課題については、平野と松尾が中心となって取り組む計画である。それらに加えて、仕入プロセス革新を推進するうえでの仕入先に対する企業間関係の管理に関して、仕入プロセス革新の推進が仕入先とのパワー関係や協調的関係を管理する行動や仕入先に対するチャネル戦略といかに関連するかという仮説を洗練化させて、分析を進める。この領域の研究については、結城、西村、小宮、清水が中心となって取り組む計画である。
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