研究課題/領域番号 |
21H00765
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
佐藤 嘉倫 京都先端科学大学, 人文学部, 教授 (90196288)
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研究分担者 |
永吉 希久子 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (50609782)
瀧川 裕貴 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (60456340)
眞田 英毅 同志社大学, 文化情報学部, 助教 (00961971)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | グローバルな不平等 / ローカルな不平等 / 制度論 / 移民 |
研究実績の概要 |
本年度はプロジェクト3年目であり、昨年度までの研究成果を踏まえてデータ分析のための基盤を整備するとともにエージェント・ベースト・モデルの構築を進めた。具体的な主な研究究成果は次のようになる。(1)国家間格差の形成に関するメカニズムの作成、および分析枠組みの検討を行った。特に、何回かの国際ミーティングを経て、国家間格差においては、ジニ係数のみでの解釈が可能である一方で、発展途上国を中心とした国々では消費支出でのジニ係数での比較の方が適切であることが明らかになった。(2)在日外国人労働者の賃金におけるジェンダー間格差が在留資格によって異なるのかを検証した。就労系の在留資格では、仕事内容に制約があり、また在留資格取得のために職業固有の人的資本の保有が求められるため、ジェンダーによる職務の分離が起きにくいのに対し、身分系の在留資格では制約が少ないからこそ逆に、日本型雇用慣行が適応され、男女の賃金格差が大きくなると考えられる。賃金構造基本統計調査の分析の結果、この仮説は支持された。(3)2024年2月-3月に研究代表者の所属する京都先端科学大学にアメリカ側研究協力者のChristpher Chase-DunnとRoberto Patricio Korzeniewiczを招聘し、日本側の研究プロジェクトメンバーと議論を重ねた(もう1人のアメリカ側研究協力者の井上裕子はオンライン参加)。この会合では主に分析のためのデータの検討と国内不平等、国家間不平等を測定するための尺度について詳細に検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍も一段落したため、本プロジェクトの活動もほぼ正常に戻った。コロナ禍のため日本とアメリカのプロジェクトメンバーが対面で研究会を開催することが今までできなかったが、上述したように、2024年2月-3月に対面型研究会を開催し、集中的に議論することができて、今までの研究成果を整理し、翌年度の研究方針を確定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
データ分析についてはさらにデータの収集・分析を進める。エージェント・ベースト・モデルについてはこの分野に詳しい博士研究員を6か月間雇用して集中的にモデルの完成に努める。
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