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2021 年度 実績報告書

人口減少社会の中での地域人材育成の社会学的研究:地域移動とライフコースに着目して

研究課題

研究課題/領域番号 21H00772
配分区分補助金
研究機関日本女子大学

研究代表者

樋田 有一郎  日本女子大学, 家政学部, 研究員 (50825023)

研究分担者 杉本 卓  青山学院大学, 教育人間科学部, 教授 (00282624)
寺崎 里水  法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70432028)
田村 学  國學院大學, 人間開発学部, 教授 (00413906)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード人口減少 / 地域活性化 / 地方創生 / 関係人口 / 地域活性化 / 地域学校協働 / 高校魅力化
研究実績の概要

本研究では、過疎化が進む地方郡部社会を対象に、人口減少時代の地域づくり、人材育成を研究するものである。
とくに他出やUターンといった地域移動を伴うライフコースを前提とする地方郡部社会で地域活性化を行う地域人材の育成過程を明らかにするものである。拡大から縮小の時代の地方社会の変化を捉え、これまでの中央集権型、一律開発型の地域の発展から、地域ごとの生き残りをかけた地域の個性を生かした地域おこしの時代へと変化しつつあることを踏まえる。対象地域が主体性を発揮し、常に新しいヒト・モノ・コトを巻き込み、縦横無尽に様々な制度や資源を再設計しながら生き残りをかけた地域人材育成へと舵を切ったことに注目する。
本年度は、翌年以降の調査に向けて現地関係者との打ち合わせをおこなう必要があったが、新型コロナの流行により地理的な隔絶生が高い調査対象地域ではフィールドワークが著しく制限される状況となった。そうした中で、これまで対象地域と結んできたラポールを生かして、限定的ではあったがフィールドでの調査への理解を得ることが出来た。また、オンラインを活用して調査対象地域の関係者へのインタビューをある程度おこなうことが出来た。また、資料の収集に関しては現地の研究協力者と遠隔で連携して、資料の特定や送付の作業をおこなうことができた。
これらの調査によって得られた成果は、『山陰研究』に投稿し採択された。また、島根大学法文学部山陰研究センターの研究プロジェクトに関わる機会を得られ、『「教育+若者」が切り拓く未来―山陰発・持続可能な地域へのアプローチ―』の出版に参加させていただけた。このことは、研究の視点を他領域と交差させることにつながり、大きく拡げることに繋がった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

調査地域との往来が著しく制限され新型コロナの流行が本研究の進捗に与えた影響は大きかった。しかし、これまで形成してきた地域とのラポールにより一定のフィールド調査が可能となり調査を進めることが出来た。また、遠隔でやり取りをしながら、追加の情報を得られたためこれまで蓄積してきたデータの分析を進めることができた。オンライン化をすすめて多くの研究協力者と効率的に資料を収集し情報を整理統合することで作業を進めることが出来た点は研究の進捗に好影響を与えた。こうした研究活動の結果、当初の計画を修正しつつ研究活動を継続し、研究成果が採択されるに至った。

今後の研究の推進方策

人口減少の加速により、地域づくり、学校配置の計画の再策定が進んでいる。インフォーマントとの連携により地域社会の状況の変化をできるだけ早く把握し、研究推進の方策への反映を進める。また、統廃合や市町村合併の状況をできるだけ早く把握し、発表がある前にどのような地域社会での議論が生じ、地域の決定に影響を与えたかを丁寧にフォローすることをめざす。とくに、国の地方創生政策と教育改革がどのようなつながりを持ちながら地域人材育成政策が形成され、それが地方ではどのように具体的に進められるかに着目する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 4件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 人口減少県の高校魅力化から全国の普通科の特色化・魅力化へ : どのように離島の高校改革が全国の高校改革に展開したか2021

    • 著者名/発表者名
      樋田 有一郎
    • 雑誌名

      山陰研究

      巻: 14別冊 ページ: 1~112

    • DOI

      10.24568/54311

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 設置者移管と地域住民による内発的高校改革: 奥尻高校の町立移管から高校魅力化の地域主義的転回を考える2021

    • 著者名/発表者名
      樋田 有一郎
    • 雑誌名

      地域人材育成研究

      巻: 4 ページ: 6~15

    • DOI

      10.57446/rhrd.4.0_6

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 第19代校長齋藤雅典先生(2013年度~2015年度)の語り: 最初は、やること自体が目的((特集)各地の高校魅力化プロジェクトを紹介 吉賀高校の高校魅力化(1))2021

    • 著者名/発表者名
      樋田 有一郎
    • 雑誌名

      地域人材育成研究

      巻: 5 ページ: 6~26

    • DOI

      10.57446/rhrd.5.0_6

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 海士町の都市農村交流ツアー「AMAワゴン」の記録と隠岐島前高校再生に至る前史2021

    • 著者名/発表者名
      尾野 寛明
    • 雑誌名

      地域人材育成研究

      巻: 5 ページ: 107~117

    • DOI

      10.57446/rhrd.5.0_107

    • オープンアクセス
  • [図書] 「教育+若者」が切り拓く未来 ―山陰発・持続可能な地域へのアプローチ―2022

    • 著者名/発表者名
      関 耕平、藤本 晴久、樋田 有一郎、田中 輝美、宮本 恭子
    • 総ページ数
      87
    • 出版者
      今井出版
    • ISBN
      9784866112930
  • [図書] オンライン授業の地平 ―2020年度の実践報告―2021

    • 著者名/発表者名
      小泉 勇人、茂木 謙之介、大嶋 えり子 編著、樋田 有一郎 、寺崎 里水、杉本 卓 、大木 由以 、樋田 大二郎 ほか著
    • 総ページ数
      125
    • 出版者
      雷音学術出版
    • ISBN
      9784600007027
  • [図書] わたしをつくるまちづくり ―地域をマジメに遊ぶ実践者たち―2021

    • 著者名/発表者名
      尾野 寛明、中村 香菜子、大美 光代
    • 総ページ数
      254
    • 出版者
      コールサック社
    • ISBN
      9784864354912

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公開日: 2023-12-25  

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