研究課題/領域番号 |
21H00792
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 新見公立大学 |
研究代表者 |
鄭 丞媛 新見公立大学, 健康科学部, 教授 (50553062)
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研究分担者 |
近藤 克則 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 部長 (20298558)
尾島 俊之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50275674)
井上 祐介 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (60735497)
井手 一茂 千葉大学, 予防医学センター, 特任助教 (40900410)
宮國 康弘 日本福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (90734195)
山本 浩史 新見公立大学, 健康科学部, 教授 (40389028)
山内 圭 新見公立大学, 健康科学部, 教授 (90280156)
岸本 由梨枝 新見公立大学, 健康科学部, 助教 (10848089)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | Age Friendly Cities / 介護予防 / 実装研究 / 社会環境 / 健康格差 |
研究実績の概要 |
社会環境が人々の健康や生活に与える影響の重要性は,「健康日本21(第2次)」や多くの研究で示されるなど関心が高まってきているが,それをどのように「政策」や「まちづくり」に応用するのかに関するエビデンスは十分に蓄積されておらず課題となっている.本研究では,社会環境を考慮した,より効果的な高齢者の介護予防政策立案および実装に向けたエビデンスを蓄積することをねらいとし,①日本版Age Friendly Cities(AFC)指標によって捉えた社会環境と健康関連指標との関連の解明,②地域間で社会環境に格差が生じる背景の解明,③社会環境への政策介入(介護予防政策)による介護予防効果を解明することを目的とする. 2022年度は前年度に引き続き,Age Friendly Citiesや介護予防に関する先行・関連研究の検討を通して理論仮説の構築の検討と共に主に以下の4点を進めた.①AFC指標によって捉えた社会環境指標と健康関連指標間の関連性の解明である.これは日本老年学的評価研究(JAGES)調査によって得られたパネルデータを用い,地域の「社会環境」と高齢者の身体・心理・社会的指標との関連を分析し,有意に関連している因子を検証した.②地域間で社会環境に格差が生じる背景の解明するため,同一市内でも社会環境に格差が生じる背景について検討を行った.③A県内の自治体を対象に「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」「地理データ」などを用い,社会環境と健康関連指標の関連について日常生活圏域間の比較検討を中心に行った.④B県において要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者を対象にした「健康とくらしの調査」を実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は主に先行・関連研究の検討を通して理論仮説を構築すると共に,既存データを用いた分析を進めた.また,B県において要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者を対象にした「健康とくらしの調査」を実施した.これらの成果の一部は,論文(4件),学会発表等(4件)で発表した.
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今後の研究の推進方策 |
AFCの概念は8領域の①社会参加,②社会的包摂,③地域・保健福祉サービス,④市民参加・雇用,⑤コミュニケーション・情報,⑥住宅,⑦野外空間・建築物,⑧交通で構成される.AFCの指標には,国ごとの社会・文化的背景が影響し,測定・評価が困難な生活の質(QOL)や社会参加,社会的サポート,社会的ネットワークなどが評価指標に含まれるため,国ごとにAFCの指標の選定および指標の妥当性と信頼性の検証が求められる.今後も量的・質的研究を含めた混合研究法を用い検証を試みる.
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