研究課題/領域番号 |
21H00831
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
堀 健志 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (10361601)
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研究分担者 |
妹尾 渉 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (00406589)
日下田 岳史 大正大学, 人間学部, 専任講師 (30734454)
清水 睦美 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (70349827)
松田 洋介 大東文化大学, 文学部, 教授 (80433233)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 地方から都市への人口流出 / 学校から職業への移行 / ライフコース分岐 / 進路形成 |
研究実績の概要 |
急速に人口減少が進む東日本大震災の被災地で育った若者たちは、どのようなライフコースをどのように形成していくか。本研究は、とりわけ地方圏から都市圏への人口流出に関心を寄せつつ、被災地の若者たちの学校から職業への移行過程がどのように構造化され、また、その移行過程が若者たちによってどのように生きられているかを明らかにするものである。そのねらいは、東日本大震災という自然災害が、個人のライフコース形成を媒介としながら、地方圏からの人口流出の第三波というポスト工業化社会に固有の構造的現象にいかなる再帰的影響を及ぼすかという問いに迫ると同時に、このマクロな構造的現象が、個人のミクロ・レベルの生活世界においてどう生きられ、また逆に、個人のライフコース形成を媒介としながら、どのようにもたらされているかという問いに迫ることにある。こうしたねらいに基づいて進められた本年度の研究成果は以下のとおりである。①学校基本調査の個票データの二次分析を行い、研究対象地域における学校から職業への移行の今日的な構造的特徴を明らかにした。その成果の一部を、「被災地における高校生の進路分岐」というタイトルで発表した(震災問題研究交流会)。②学校から職業への移行の今日的な構造において、若者たちのライフコースを分岐させる要因を明らかにすることをねらいとして、対象地域の高校生とその保護者を対象とした質問紙パネル調査(第一次)を実施した。③被災地出身の若者たちのライフコース分岐の過程を、いかなるライフストーリーを築きながら生きているかに注目しながら明らかにするためのインタビュー・マニュアルを作成し、数名を対象にインタビュー調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学校基本調査の個票の分析や、高校生とその保護者を対象とした質問紙調査については、計画通りに実施することができた。その一方で、インタビュー調査については、新型コロナウイルスの感染状況により、当初に計画していた初年度に実施予定のものの多くを延期することとなった。そのため、予算の繰越を行い、次年度(2022年度)にその遅れを取り戻すこととしたが、以下の理由により、さらに延期することとした。 上記の通り、高校生と保護者を対象とした質問紙調査は計画通りに実施したが、回収数が想定していた以上に少なかった。そこで繰越予算の使用計画を変更し、インタビュー調査を実施する代わりに、対象地域を広げて追加的な質問紙調査を行った。 以上のように、本研究を構成する一部であるインタビュー調査を遅らせたことにより、「やや」という判断とした。
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今後の研究の推進方策 |
学校基本調査の個票の分析をさらに深めるとともに、2022年度に追加実施した質問紙調査によって得られたデータを加えて、高校生の進路形成の分岐に東日本大震災が及ぼした影響を分析する。また、やむを得ず実施を延期することとなったインタビュー調査の遅れを取り戻す。
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