研究課題/領域番号 |
21H00843
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
竹内 日登美 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (10770620)
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研究分担者 |
川俣 美砂子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (20462096)
原田 哲夫 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (60260692)
中出 美代 東海学園大学, 健康栄養学部, 教授 (80352855)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 子ども学 / 幼児 / 生活リズム / 生活リズム管理能力 / 保護者の睡眠衛生 |
研究実績の概要 |
本研究は、就学前(5~6歳)の子どもが保護者と協同して生活リズム改善に取り組み、子どもが生活リズムを自己管理する力を身に着けると同時に、保護者自身の睡眠衛生を改善するプログラムの開発・効果検証を目的としている。2021年度は、就学前の子供の生活リズムの現状、および、その原因となっている生活上の問題について過去に蓄積したデータなどを分析して、新たに行う調査の項目について検討、高知県の幼児を対象に質問紙調査を実施した。併せて、介入調査を実施する際、生活改善の取組の必要性を理解してもらうためのエビデンスを蓄積するため、就学以降に生活リズムの乱れによって起こる問題について、小学生・中学生を対象に調査を実施した。 就学前の子供の生活リズムの現状について昨年度までに得たデータを分析した結果、幼児の心身の不調とそれに伴う保護者の育児における困りごとは発達に伴う変化と関連しており、発達を踏まえた検討、発達にあわせたサポートが必要であることが明らかになった。併せて、保護者の睡眠負債と育児ストレスについての分析では、睡眠負債の蓄積を示す日中の過度の眠気のある保護者の割合は1歳児の保護者で特に高いこと、日中の過度な眠気のある保護者は、育児ストレスを感じる頻度が高いことなどを報告した。 また、新型コロナウィルス流行後の幼児の生活習慣調査のデータから、コロナ禍による幼児の生活習慣の変化には、お手伝いの増加、家族で過ごす時間の増加、睡眠時間の増加といった望ましいものと、動画視聴の増加、運動不足や生活リズムの乱れなど、好ましくないものがあること、特に、時間、経済的余裕、周囲のサポートなどが不足しているケースでは、望ましくない影響が大きい傾向があり、家庭間で格差が広がっている恐れがあること、また、幼児化体重傾向と睡眠短縮や睡眠効率低下、夜間のスマホ・ゲーム機利用が関連していることなどを報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は子育てイベントに集まった保護者を中心に愛知県での聞き取り調査を行う予定であったが、新型コロナウィルス感染症の流行により、子育てイベント事態の開催がほとんど中止になり、また、個別に依頼しての調査も難しくなったことから、一部は保育者への質問紙調査に切り替えたものの、幼児の保護者に対する聞き取り調査については実施を次年度以降に延期せざるを得なくなった。また、同様に、高知県での幼児の保護者を対象とした質問紙調査については年度内に実施はできたものの、予定時期より遅い実施となったため、分析については次年度の実施となった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年度に実施できなかった、愛知県での子育てイベントに集まった保護者を対象に行う調査の実施、併せて、保育者への調査を追加実施する。新型コロナの感染状況によっては、聞き取り調査にこだわらず、事前に口頭で丁寧な説明を行った上で、記述項目を多く含む詳細な質問紙を用いた調査に切り替えるなどの対応をする。愛知県での調査、また、実施はできたものの、分析まで至らなかった高知県での調査の分析を進めて、質問項目を再検討し、2022年度に計画しているweb全国調査、および、同時に実施する高知県での調査を年度内に実施する。
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