研究課題/領域番号 |
21H00867
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
伊藤 直之 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (20390453)
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研究分担者 |
金 ヒョン辰 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10591860)
井田 仁康 筑波大学, 人間系, 教授 (20203086)
溝口 和宏 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 教授 (30284863)
中原 朋生 環太平洋大学, 次世代教育学部, 教授 (30413511)
宇都宮 明子 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (40611546)
志村 喬 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (70345544)
山本 隆太 静岡大学, 地域創造教育センター, 准教授 (80608836)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 再文脈化 / ケイパビリティー / 強力な学問的知識 / 強力なペダゴギー / 社会正義 / ヨーロッパ / アジア |
研究実績の概要 |
令和3年度は,4月の内定通知を受けて,研究代表者と研究分担者の間での共同研究体制の構築と役割分担,そして,研究課題に対するこれまでの代表者・分担者の理解や先行実践等についての確認と相互批評を行った。 まず,地理教育の研究メンバーを中心にして,欧州で展開するジオ・ケイパビリティーズ・プロジェクトの第3段階を対象に文献調査し,同プロジェクトにおいて欧州の研究者と学校教師が「移民」をトピックに選定し,「強力な学問的な知識」の保証と,実践者による「強力なペダゴギー」を用いた「再文脈化」を通して,社会正義に間接的に寄与することを志向している点を特徴として見出した。また,実践例の考察を通して,授業の特徴として,仮定を疑い,固定観念に挑戦し,統計データの裏を探り,公正さや共感の感情を呼び起こすような活動を行っていること。または,地図や数字といった「冷たい」データを,人間の物語や写真,ビデオクリップを使うことで,より現実的なものにする傾向があること。あるいは,疎外された視点に声を与え,異なる見解を奨励しようとしていること,等々があることを指摘した。 一方で,アメリカ合衆国の社会科教育における社会正義志向の実践が,「人権」等をトピックとすることが多く,社会的有用性の実感など,社会正義へダイレクトに関与しようとする点で,欧州の動向と差異が見られることを明らかにした。 また,アジアへの普及という点では,研究分担者が,韓国における学会発表を通して,日本のジオ・ケイパビリティーズ研究の動向を発信した。 これらの研究実績を,日本地理学会2022年春季学術大会等で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内調査を令和3年度に予定していたが,COVID-19の影響で,所属機関によって移動の自粛が要求されたため。次年度以降において,社会状況の改善と移動制限措置の緩和を待って,現地調査等を実施する計画である。
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今後の研究の推進方策 |
(1)社会正義に寄与する社会科教育の理論の精緻化 (2)欧州における教育実践例の分析と課題の抽出 (3)社会正義に寄与する社会科授業におけるトピック等の選定 (4)韓国等のアジア諸国における社会正義志向の教育実践例の検討 (5)「再文脈化」に関わる研究動向の把握と教師への調査フォーマットの検討
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