研究課題/領域番号 |
21H00892
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪総合保育大学 |
研究代表者 |
浅野 孝平 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 教授 (50713319)
|
研究分担者 |
柳澤 邦昭 神戸大学, 人文学研究科, 講師 (10722332)
中井 隆介 京都大学, こころの未来研究センター, 特定講師 (10576234)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 発達性ディスレクシア / 視覚特性 / fMRI |
研究実績の概要 |
本研究では、発達性ディスレクシア(以下、ディスレクシア)の視覚認知の異常によるサブタイプ(視覚型ディスレクシア)に着目している。そこで読字が求められることがない3から5歳の幼児期、および文字を学習し始める就学時前後において、空間周波数特性(Spatial frequency characteristics, SFC) と、文字意識および脳MRI データを用いた表象類似度解析を用いて、横断的・縦断的に調査を行う計画である。それによって視覚型ディスレクシアの視覚認知特性の発達と神経基盤を解明することを目的としている。 研究初年度は、コロナ禍の影響で協力者を集められなかったため、強制選択法(forcedchoice preferential looking technique ,FPL: 複数の偏心度に空間周波数SFを変化させたガボールパッチを提示して注視させる等)を用いて、中心視野・周辺視野のSFC を調査して群間の差異を検出しするための手法について文献研究を進めた。 また、言語能力検査、幼児期の文字意識について調査し、SFC、文字意識、読字能力などのデータを、表象類似度解析(Representational Similarity Analysis:RSA)を用いて解析し、ディスレクシ アの心理表象、および特異的なSFCをもつ視覚型ディスレクシアの心理表象を明らかにするために必要なRSAによる解析手法を、関連する論文から検討を進めた。 さらに、過去の研究で収集したディスレクシア児と定型発達小児の安静時脳活動のfMRIデータを解析し、読む活動を行わない状態の脳活動データから、ディスレクシアの判別が可能かどうかを検討した。この結果は、「安静時fMRIと機械学習的手法による発達性ディスレクシアの判別」と題して日本心理学会第85回大会で発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ディスレクシア児のSFC を調査して、定型発達児との群間の差異を検出しするためのプログラムについて検討を進めたが、諸条件の設定の検討に時間を要し完成させることができていない。 また、このプログラムは、行動実験およびfMRI実験で使用するが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、この実験用プログラムの予備的調査等も予定通り進めることができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
SFCを行動実験で調査しかつfMRI実験で課題遂行中の脳活動を取得するために、プログラムの作成を進める。 実験の際に使用する視線計測装置は、購入し使用できるように準備を整えてあるので、SFCを検出するプログラムと連動できるように稼働させ、データの収集を行う実験環境の構築を進める。 環境が整い次第、実験協力者のリクルートを行い、データを取得を開始する予定である。
|