研究課題/領域番号 |
21H00917
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
小倉 康 埼玉大学, 教育学部, 教授 (50224192)
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研究分担者 |
益子 典文 岐阜大学, 教育学部, 教授 (10219321)
中村 琢 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70377943)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 中核的理科教員 / オンライン研修 / 理科授業力 / 専門職の学習共同体(PLC) / 主体的対話的で深い学び |
研究実績の概要 |
①埼玉大学と岐阜大学が共同で「理科モデル授業オンライン研修会」を年間8回(小学校4回、中学校4回)および「「教材や指導の工夫」研修会」を8月に、「「熟達理科教師から学ぶ」研修会」を3月に開催した。これらの研修会を通じて、小中学校の主な理科学習内容に関して、児童生徒に「主体的対話的で深い学び」を実現する理科授業を実現するための指導法と教材を、中核的存在として活躍してきた理科教員が提案し、全国の若手あるいは中核的な理科教員と教員志望の大学生が対面とオンラインで参加し理科授業力を向上させた。教員の勤務時間外にオンライン配信することで、自己研鑽型の質の高い研修に参加できる機会を充実させた。 ②「理科モデル授業オンライン研修会」において、小中学校の中核的理科教員が互いに有用情報を交換することで資質能力を向上する「専門職の学習共同体(PLC)」の機能を活性化するための理科教員共通の課題をリストアップし、毎回の研修会で特定の課題について活発な情報共有を行った。 ③前年度に引き続き、モデル授業を含むすべての研修会の記録動画と資料、概要記録をウェブ上で公開し、全国の理科教員と教員志望の大学生がいつでもどこからでも参照可能とした。これにより、多様な中核的理科教員の専門的資質・能力が伝達可能な形式で可視化され、教師教育教材として半永久的に利用可能とした。 ④全国の小中学校の理科授業改善を支援するため、回答者の個人情報を入力することなく学習状況と変化を継続的に把握可能にする「科学的リテラシー指標(SLI)測定システム」を開発し、利用マニュアルとともに全国の小中学校にウェブ上から随時利用可能とした。加えて、学校における教員研修での研修用コンテンツとSLI測定システムの活用を促すリーフレットを作成し、学校関係者への周知を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①「理科モデル授業オンライン研修会」を年度内に予定の8回(小学校4回、中学校4回)開催したことに加えて、「教材や指導の工夫」研修会」と「熟達理科教師から学ぶ」研修会の企画により、さらに研修会参加者の増加と研修用コンテンツの充実が実現した。 ②小中学校の中核的理科教員による専門職の学習共同体(PLC)の活性化により、理科教員共通の課題に関する情報の可視化と共有が促進した。 ③ウェブ上に構築した理科教員研修用コンテンツが予定以上に充実し、不特定多数の理科を教える教員と、教員志望の学生が、いつでもどこからでも理科授業力を向上できる質の高い研修機会を提供できた。 ④ウェブ上の研修用コンテンツと開発した「科学的リテラシー指標(SLI)測定システム」を総合的に活用して、学校で質の高い理科教員研修を実施するための利用促進リーフレットを作成し、広報活動を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
・これまでの研究成果を基盤とし、さらに継続と発展を図る。「理科モデル授業オンライン研修会」を継続実施するとともに、ウェブでの研修用サイトの構築を継続する。 ・埼玉県・岐阜県以外の地域の教員の参加を働きかけることで、小中学校の中核的理科教員による専門職の学習共同体(PLC)の拡大を図る。 ・ウェブ上の研修用コンテンツと「科学的リテラシー指標(SLI)測定システム」の学校での利用促進を図るために、教育委員会との連携を図り、「理科主任」が中核的理科教員として校内授業改善をけん引するアクション・リサーチを支援する。
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