研究分担者 |
市川 裕子 東京工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (10290719)
樋口 三郎 龍谷大学, 先端理工学部, 准教授 (70272474)
長坂 耕作 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (70359909)
金西 計英 徳島大学, 高等教育研究センター, 教授 (80204577)
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研究実績の概要 |
本研究では, 大学初年次数学教育(線形代数と微積分学)において, オンライン自動採点問題(Moodle上のSTACKや自動生成多肢選択問題, H5P問題など)を用いて学生が学習することにより, 理解度が向上し, 深い理解が得られ, また, よくある誤認や定義の不十分な理解を防止できるような問題の開発とその効果検証を行った. 行列の行と列が横と縦であることの認識が不十分な例のような基本的な誤認識や基底の定義のような抽象度の高い定義の理解を深めることができたかどうかなどの検証である. 課外学習として問題を解くときに, 仮に計算ソフトなどを用いたり友人と相談したりするようなチーティングがあったとしても, 単に課題をこなすのではなく, 理解が深まるような問題を開発した. また, それらをLMS(Moodle)上に配置して, 課題として実施させることにより, 理解が深まり, 結果として期末試験や紙の小テストでの成績が向上するかを検証した. 課題としての設置の仕方(課題の評価上の位置付け)として,若干の評価を与えるとし, 実施の動機付けがどのようにすればあがるかについて, いくつかの試みを行った. 前年度までに実施したデジタルバッジは効果が薄いことから, 成績評価への加点としたが, 実施率が低く, 今後検討の必要があることがわかった. また, 課題の分量の調整が非常に重要であることもわかってきたが, 課題実施時のフィードバック以外にも, 何らかの誘導や補助がないと, 学習が進まないことが問題点としてわかってきた. 今年度は, 問題はほぼすべて線形代数に関する問題であり, 微積分学については, 問題の開発には着手できなかったが, どのような問題が必要かについて, 過去の学習分析をする準備は行った.
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