研究課題/領域番号 |
21H00954
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
小西 聖子 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (30251557)
|
研究分担者 |
岩井 圭司 大阪人間科学大学, 心理学部, 教授 (20263387)
中島 聡美 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (20285753)
柑本 美和 東海大学, 法学部, 教授 (30365689)
岡田 幸之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40282769)
長江 美代子 日本福祉大学, 看護学部, 教授 (40418869)
淺野 敬子 武蔵野大学, 人間科学部, 講師 (40823414)
堀越 勝 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 特命部長 (60344850)
今野 理恵子 武蔵野大学, 人間科学部, 講師 (90884586)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 性暴力被害者 / 性暴力被害者の行動 / 認知行動療法 / 遠隔心理療法 / PTSD |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、①地域連携型オンライントラウマフォーカスド認知行動療法(TF-CBT)の実行可能性・安全性および効果に関する予備的研究、②性暴力被害者の被害時の行動・反応に関する研究(構造化面接調査)であった。 ①については、地域連携型オンラインTF-CBTを実施するため、以下の性暴力支援センターと連携し、武蔵野大学認知行動療法研究所とオンラインでつなぎ、遠隔心理療法を行った。連携機関は、性暴力救援センターSARC東京、性暴力救援センター日赤なごみ、性暴力被害ワンストップ支援センターとやま、千葉性暴力被害支援センターちさとであり、各機関のTFCBTを行った。治療の効果は、PTSD症状の重症度、抑うつ症状、解離症状等を治療前と治療後、3か月後、6か月後と比較する。今年度は、2ケースTFCBTを実施し、2ケースの3か月後、6ヶ月後評価、1ケースの治療前評価を行った。 ②については、性暴力被害者の被害時の体験について、安全にインタビュー調査が実施できるよう、半構造化面接の内容、実施手順について検討を行った。さらに、調査時に使用するインタビューガイドと面接調査票を基に、ロールプレイを行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①地域連携型オンライントラウマフォーカスド認知行動療法(TF-CBT)については、予定通り実施できており、おおむね順調に進展している。 ②性暴力被害者の被害時の行動・反応に関する研究(構造化面接調査)については、インタビュー調査票よりロールプレイを行い精査中であり、被害当事者に対するインタビュー実施に至っていないため、やや遅れが生じている状態である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究目的に従い、本年度は以下の研究を実施する計画である。 ①地域連携型オンライン・トラウマフォーカスド認知行動療法(TFCBT)の実行可能性・安全性および効果に関する予備的研究 引き続き、千葉性暴力被害支援センターちさとと連携し、武蔵野大学認知行動療法研究所とオンラインでつなぎ、遠隔心理療法を行い、その治療後、3か月後、6か月後にPTSD症状の重症度、抑うつ症状、解離症状等の症状評価を行う。性暴力救援センターSARC東京、性暴力救援センター日赤なごみ、性暴力被害ワンストップ支援センターとやまにおいては、すでに予定数のTFCBTを終えており、今後3か月後、6か月後にPTSD症状の重症度、抑うつ症状、解離症状等の症状評価を行う。すべての評価終了後に、治療前と治療後、3か月後、6か月後の症状評価から治療の効果を比較検討する。 ②性暴力被害者の被害時の行動・反応に関する研究(構造化面接調査) 本年度は、PE療法等のトラウマに特化した認知行動療法を受け、被害時の体験について安全かつ十分に語ることが可能である性暴力被害体験者3名程度を対象に半構造化面接を実施する。被害前・被害中・被害後の時間軸に沿ってどのような行動や心理的反応(認知・感情)が見られたか、経時的に聞き取りを行う。さらに、各時点での解離反応について心理尺度を用いて測定を行う。インタビューで得られた被害者の行動や心理的反応についてはその質的内容を関係者間で協議しカテゴリー化する。解離反応についてはその得点と被害の時間経過、行動的・心理的反応との関連について分析を行う。さらに、これらの結果から、性暴力被害者の行動・反応に与える変数について精査する。
|