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2023 年度 実績報告書

傾斜と運動に対する体性感覚(前庭系,筋腱系,触覚系)の順応:視覚系との統合様態

研究課題

研究課題/領域番号 21H00964
配分区分補助金
研究機関立命館大学

研究代表者

東山 篤規  立命館大学, OIC総合研究機構, 教授 (00118001)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード体性感覚
研究実績の概要

速度への順応実験を行った.実験は本学にある環境傾斜装置の中で行われた.この装置では部屋を上下に揺らすことによって,被験者の体を上下に動かせることができた.実験では,一定の時間のあいだ一定の速度に被験者を晒さした後に,テスト刺激の速度の推定が求められた.順応のために用いる装置の回転速度は0.7, 1.1, 1.5rpm,運動範囲は±10度,順応時間は90秒.テスト刺激の測度は,順応速度と,その上下それぞれにある2速度の計5刺激(0.2rpm間隔).参加者は床(あるいは部屋)の回転速度をマグニテュード推定法によって判断した.「あなたが感じた床(あるいは部屋)の最大の回転速度を表すのに適切な数字を述べてください」 視覚情報として,目隠しをする条件と,自由に部屋を観察することができる条件を設けた.
3順応条件と2視覚条件の組合せごとに,グラフの横軸にテスト刺激の速度,縦軸にマグニテュード推定値の平均値をプロットし,回帰直線をあてはめた.速い速度に順応していると,同じ速度でも遅く感じられ,遅い速度に順応していると,同じ速度でも速く感じられた.視覚情報については開眼条件と閉眼条件において大きな違いがなかった.また,遅い刺激に順応したときの方が速度に関する感度が高かった.
またこの実験に関連した実験として前腕の傾斜知覚における順応効果を検証し,その成果を2学会に報告した.この実験では,閉眼と開眼の条件において,被験者の前腕を-30度, 0度(水平), +30度の勾配にしばらく晒した後,順応傾斜の周辺の傾きをマグニテュード推定法によって推定させた.その結果,被験者が水平と感じる方向は閉眼の場合は5度ほど順応刺激の方向に変位したが,開眼条件の場合は,そのような変異は見いだせなかった(順応なし).
速度への順応と勾配への順応における視覚情報の役割の違いが見出されたといえる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね順調であり,予想外のことも起こっていないが,これまで得た知見を確認するために,補足実験をしなければならないと考えている.

今後の研究の推進方策

これまでの実績を踏まえながら,引き続き速度への順応実験を補足する.過年度と同じパラダイムを用いて,実験では,一定の時間のあいだ一定の速度に被験者を晒さした後に,テスト刺激の速度の推定が求められる.順応のために用いる装置の回転速度は0.7, 1.1, 1.5rpm,運動範囲は±10度,順応時間は90秒.テスト刺激の測度は,順応速度と,その上下それぞれにある2速度の計5刺激(0.2rpm間隔).参加者は床(あるいは部屋)の回転速度をマグニテュード推定法によって判断する.この追加実験では,視覚情報のみが与えられている条件と身体運動感覚のみが与えられている条件の比較が行われる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Adaptation of forearm orientation inhibited by visual information2023

    • 著者名/発表者名
      東山篤規
    • 学会等名
      The 45th European Conference of Visual Perception
    • 国際学会
  • [学会発表] 視覚情報によって抑制される前腕方向の順応2023

    • 著者名/発表者名
      東山篤規
    • 学会等名
      第134回関西心理学会
  • [学会発表] 介在ピンを用いて触れられた突起面の知覚2023

    • 著者名/発表者名
      東山篤規,安藤 潤人,野間春生
    • 学会等名
      第49回感覚代行シンポジウム

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公開日: 2024-12-25  

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