研究課題/領域番号 |
21H00978
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
下川 航也 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (60312633)
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研究分担者 |
河内 明夫 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 特任教授 (00112524)
古宇田 悠哉 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (20525167)
石原 海 山口大学, 教育学部, 准教授 (40634762)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 結び目 / 高分子 / トポロジー |
研究実績の概要 |
この研究では、結び目理論や3次元トポロジーの研究を行い発展させ、その成果を用いて応用研究の新しい重要課題に取り組む。研究目的は物質のトポロジーとその機能との 関連を解き明かすため、トポロジーの研究を行いその応用を行うことである。高分子メルトのミクロ相分離構造を3次元トーラスのハンドル体分解として研究し、自己組織化集合(超分子)の構造を対称性の高い多面体絡み目として研究するなど、結び目理論や3次元トポロジーの新たな研究とその応用を行っている。 今年度は、研究成果を論文や講演として発表している。3次元多様体のハンドル体分解研究を絡み合うネットワークの研究へと応用した。この研究は、3次元多様体のハンドル体による分解の基礎理論を与えるものであり、ミクロ相分離構造をもつ高分子材料の設計への応用がある。この成果をまとめ、論文として発表した(Proc. Royal .Soc. A 2022)。自己組織化集合(超分子)の構造として現れる多面体絡み目について、その特徴付けと分類の研究を行い、論文としてまとめ発表した(Symmetry 2022)。この結果により、交点数が同じだがトポロジーが異なる超分子の設計が行える。また、環状ポリエチレンのトポロジーが結晶化に及ぼす影響の研究を行い、論文として発表した(Macromolecules 2022)。この研究では、ポリマーのどの部分に結び目の核となる部分が存在するかなど、数学的にも新しい概念を導入し、その高分子化学への応用を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度は、3次元多様体のハンドル体による分割とその材料工学への応用の成果を論文と講演として発表し、多面体絡み目とその超分子への応用の成果を論文と講演として発表し、さらに、環状分子のトポロジーが結晶化に及ぼす影響の研究についての研究を行い、論文として発表することが出来た。当初の研究計画に加え、新たな研究成果が加わったことを考慮し、今年度は当初の計画以上の進展と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、これまでの研究成果を発表する面での成果が多かったが、また新たな研究も行うことが出来た。今後は、各研究において、その発展を目指した新たな局面での研究を開始している。今後の研究期間も意識し、十分な成果をあげられるよう研究を進めていく。
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