研究課題/領域番号 |
21H00981
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
梅原 雅顕 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (90193945)
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研究分担者 |
山田 光太郎 東京工業大学, 理学院, 教授 (10221657)
Rossman W.F 神戸大学, 理学研究科, 教授 (50284485)
佐治 健太郎 神戸大学, 理学研究科, 教授 (70451432)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 特異点 / 波面 / カスプ辺 / 3次元球面の平坦トーラス |
研究実績の概要 |
1. 研究分担者の山田氏・佐治氏との共同研究で,3次元の定曲率空間のカスプ辺の写像芽に2つの不変量を定義し,第二の不変量が消えないカスプ辺については,2つの不変量が同じであることが「与えられた2つのカスプ辺の芽が,一方から他方へ変形される」ための必要十分条件であることを示した.また,第二の不変量が特異曲線に沿って恒等的に零になるカスプ辺は,「ガウス曲率が一定なカスプ辺」にまで連続変形が可能であることを示し,論文にして投稿した. 2. 埼玉大学の福井氏,筆者が指導した東工大修士課程の卒業生である木下氏,中国の研究者Donghe Pei氏,Haiou Yu氏らとの共同研究で,3次元Minkowski時空において一般化されたカスプ辺をすべて生成する表現公式を与えた.このような曲面は,第一基本形式に着目すると,特異点における退化次数が定義される.Euclid 空間内の一般化されたカスプ辺ではその値は常に2であるが,時空の場合には2以上のすべての整数値を取る.本研究では次数が3以下の場合に,そのような曲面のガウス曲率・平均曲率・臍点・誘導計量の符号数などに関する研究を行った. 3. 分担者の山田氏,協力者の赤嶺氏・本田氏と昨年度に行った「時空における光的な超曲面」に関する論文について,光的に完備でない場合の議論を大幅に簡明化できることがわかり,その部分を修正した論文を作成した.また,このテーマについてウイーン工科大のUdo Hertrich Jeromin氏と研究討論を行い,多くの新しい知見を得た. 4. 昨年度に引き続き,協力者の北川氏・榎本氏と,3次元球面に「はめ込まれた平坦トーラス」に関する直径予想に取り組み,そのような曲面上の「漸近曲線の対」の射影が,ある特定の配置になると,予想が肯定的に解決できることを見いだした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に作成した論文は「研究実績の概要」に記した山田氏・佐治氏との共同研究と,山田氏・赤嶺氏・本田氏との「時空における光的な超曲面」に関する論文のみで,その他の研究については,まだ,論文にするほどには進展していないが,今後の発展という意味では,大いに期待できるため.
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」の欄に記したが,今年度の研究は継続課題が多くあるので,来年度以降は,それらをさらに深める研究を行う予定である.また昨年度に取り組んだ「実解析的な写像の像が,非自明な拡張を持たないための判定条件」など,新型コロナの影響で共同研究が進まなかったものもあり,次年度は,このテーマにも力を注ぐ所存である.
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