研究課題/領域番号 |
21H00983
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
太田 啓史 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (50223839)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | シンプレクティック幾何 / Floer理論 / ミラー対称性 / 倉西構造 / 仮想基本チェイン / Arnold予想 / Morse-Bott / 指数減衰評価 |
研究実績の概要 |
境界付きリーマン面からシンプレクティック多様体への安定写像でラグランジアン境界条件をもつ写像について、その貼り合わせ写像のネック部分のスケールに対する指数減衰評価に関する結果を証明した論文が、長い時間を費やしたレフェリー過程に辛抱強く対応し続けた末に、今年度ようやく出版許諾を得ることができた。これは本課題の中心テーマであるFloer理論における擬正則写像の理論の土台にかかわる重要な結果のひとつと位置付けることができる。
これと並行して、シンプレクティック多様体上の周期的ハミルトン系に関する Floer 方程式の解の モジュライ空間を用いて、Hamiltonian Floer理論におけるFloerコホモロジーを定める「線形Kシステム」を、Morse-Bottの一般的な状況の下で幾何学的に実現し、その不変性と比較定理を証明した。系としてMorse-Bottの仮定のもとで、周期解の個数に関する Betti数版Arnold 予想が従う。この結果を論文にまとめる作業をおこない、arXiv上で公開することができた。ここでは2020年に出版された研究代表者とその共同研究者たちによるリサーチモノグラフ `Kuranishi structures and virtual fundamental chains', (Springer-Nature, 2020)の結果が有効に用いられる。特に、outer collarを用いてファイバー積とcompatibleな倉西構造の族が構成している。以上は、深谷賢治氏(SCGP)、Yong-Guen Oh氏(IBS CGP)、小野薫氏(京都大学)と研究代表者との共同研究の成果である。
また、依然COVID19パンデミックの状況にあり、国内外を込めて研究集会やワークショップ等において対面で議論することが殆どできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度にくらべ多少緩和されたものの、COVID19パンデミックのため、2021年度も国内外の出張や対面での研究集会、研究打ち合わせを行うには難しい状況が続いた。特に先の読めない状況で海外渡航を断念せざるを得なかったことは、国際共同研究計画を中心とする本課題遂行においては、少なからず影響を与え、通常の状態より遅れが生じたことは否めない。
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今後の研究の推進方策 |
もちろん、COVID19パンデミックの状況に大きく依存されるが、徐々にではあるが政府の対応等に緩和が見られ、国内外の研究交流が再開されることを期待しつつ、なるべく当初の研究計画通り、研究協力者と密に連絡をとりながら国際共同研究を推進することを目指す。また、関連したテーマでの対面研究集会も徐々に再開していきたい。海外からの往来が難しい状況であれば、国内において研究集会やワークショップを開催し、広い視野をもって議論を深めていく。
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