| 研究分担者 |
若狭 徹 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (20454069)
眞崎 聡 北海道大学, 理学研究院, 教授 (20580492)
高田 了 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (50713236)
山崎 陽平 九州大学, 数理学研究院, 助教 (70761493)
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は, 物理学, 工学に現れる非線形分散型方程式に対し, ソリトンおよび散乱という観点から解の長時間挙動を解明することである. 研究代表者(瀬片)は, 量子効果を考慮したザハロフ系の解の散乱問題について考察した. 同方程式系を構成する2つの成分である4階のシュレディンガー方程式と4階の波動方程式の分散関係が異なるため, 解のそれぞれの成分の相互作用を解析することは一般に困難であるが, 本研究では時空レゾナンス法とよばれる方法を用いて時空間で解の各成分の相互作用を調べることで, 2次元量子ザハロフ系の解の長時間挙動を終値問題の枠組みで捉えることができた. さらに, 研究代表者(瀬片)と研究分担者(眞崎)は瓜屋航太氏(岡山理科大)とともに, 昨年度までに引き続き, 空間1次元において3次の非線形項をもつ非線形シュレディンガー連立系(システム)の解の長時間挙動について考察した. 同システムは長距離型と短距離型方程式の境目に位置し, 解の長時間挙動を得ることは自明でないが, 本年度はスカラーの場合に現れなかった解挙動をもつ興味深いシステムの例を見つけた. 研究分担者(若狭)は, 宮本安人氏(東京大)および宮本氏の学生とともにスカラーフィールド型および sinh-Poisson型の反応拡散方程式の定常問題について取り組み, 線形化作用素の固有値漸近公式を得た. 研究分担者(高田)は, 全空間において非斉次項付き半線形分数冪熱方程式の可解性に関して研究を行い, 可解性に関して最適な特異性を許容する弱型 Zygmund 空間に属する非斉次項に対して, 同方程式の時間局所可解性を証明した. 研究分担者(山崎)は, 昨年度に引き続き, 非線形シュレディンガー方程式の不安定な定在波に対し, 中心安定多様体の構成とその中心安定多様体上の解の漸近挙動について考察した.
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
3: やや遅れている
理由
今年度は量子効果を考慮した2次元ザハロフ系を終値問題の枠組みで扱うことができたとともに, 空間1次元において3次の非線形項をもつ非線形シュレディンガー連立系(システム)の解の長時間挙動について散乱問題, 定在波の存在に関していくつか成果をあげることができ, 本研究課題について進展があった. 一方, 質量劣臨界の非線形項を持つ一般化KdV方程式の解の長時間挙動については, virial型等式がうまく機能せず新たな手法を模索している段階である.
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| 今後の研究の推進方策 |
今年度は量子効果を考慮した2次元ザハロフ系を終値問題の枠組みで扱うことができたが, 今後は初期値問題の枠組みで扱えるかどうか試みる. さらにクラインゴルドン方程式の連立系の一種であるMaxwell-Higgs方程式など, 他の方程式への応用についても検討する. また, 本年度に引き続き, 非線形シュレディンガー連立系, 一般化KdV方程式の解の長時間挙動について特徴的な解のまわりにある解の挙動について調べる.
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