研究課題/領域番号 |
21H01002
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 譲 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (30342794)
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研究分担者 |
角 大輝 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (40313324)
矢野 孝次 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (80467646)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 確率分岐 / 確率カオス / 確率微分方程式 / 雑音誘起現象 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ランダム力学系の確率カオスを定量化し、ランダム非線形現象の理論的体系化を進めることにある。これまで各論的に研究されていた雑音誘起現象の研究を総括することにより、確率カオスを含むランダム非線形現象の現象論を構築し、実現象の時系列解析とモデリングへ応用する。今年度はとくに大自由度系に焦点を当てて研究を進めた。 またブラジルUFRJで計算エルゴード理論を専門として先駆的な研究を行っているIsaia Nisoli博士が北海道大学に滞在し、複8月にHokkaido Summer Institute "Introduction to computational ergodic theory" 、3月にRIMS共同研究「ランダム力学系と絵ルゴード理論」を開催した。研究会Dynamics Daysを7月に東京工業大学、12月に東京理科大学にて開催した。ICIAMにおいてminisymposeum"Random dynamical systems and its applications"を組織し、Maria Jose Pacifico, Alex Blumenthal, Isaia Nisoli, Eli Barkai, Jon Aaronsonを招聘して議論及び共同研究を行った。ランダム力学系と確率微分方程式で生じる確率カオスと関連する非線形確率現象を研究を進め、計算機援用証明のライブラリ開発も行った。上記研究集会において行った。2件の国際共同研究を立ち上げ、流体乱流、気象における予兆解析、といった多様な対象に関するランダム力学系理論の応用研究が進展した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ブラジルUFRJのIsaia Nisoli博士とランダム力学系と確率微分方程式で生じる確率カオスと関連する非線形確率現象を研究を進めた。計算機援用証明のライブラリ開発も行った。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は課題(A)のとくに(A)に加えて、とくに(B)に力を入れてとりくむ。 (A)ランダムストレンジアトラクターと確率分岐:確率Lorenz方程式は標準パラメーターのLorenz方程式に乗法ノイズ項を加えた確率微分方程式であり、その漸近解はランダムストレンジアトラクターとよばれる。Lorenzカオスにノイズを加えると混合性が弱まり、カオス的に時間発展する軌道束(確率カオス)が観察される。このランダムストレンジアトラクターの統計的不変量、幾何構造、分岐といった諸性質については定式化する。 (B)大自由度多スケール系の時系列解析:複数の異なる性質を持つ大自由度系の実験データを入手し、代表者らの先行研究に基づき、集団運動等の特徴的な低次元の現象からランダム力学系を抽出する。とくに大域結合写像系の集団運動のカオスに注目する。関連して機械学習のダイナミクスに関連する研究を発展させる。
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