宇宙ひも(アクシオンストリング)やドメインウオールから放出されるアクシオンの現在の存在量を正確に見積もるための数値計算手法並びに数値計算コードの開発を行った。ペッチアイ・クイン複素スカラー場の膨張宇宙の下での時間発展を追う、つまり、偏微分方程式を解く際に空間を単純に等間隔に切った立方格子を用いるのではなく、時間発展に応じて、格子間隔を自在に変えたり、さらには格子の形状も単純な立方体でない可能性を考察した。格子間隔を変える具体的な方法としては、有効計量を導入することにより、時間発展に応じて格子間の距離を計量により実質的に変化させる方法を採用し、テスト的なコードを作成してコードが実際に動くか、また、等間隔に切った場合に比べてメモリーがどのくらい必要か、計算時間がどのくらい増加するかについて調べた。さらに、立方格子以外の形状を考え、そのような場合に、空間微分をどのように離散的に近似するか等の問題から考察し、テスト的なコードを作成してコードが実際に動くかどうか等を考察した。
|