研究課題/領域番号 |
21H01096
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
村田 次郎 立教大学, 理学部, 教授 (50360649)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 余剰次元 / 近距離重力 / 逆二乗測 / 重力の量子化 / ローレンツ対称性 |
研究実績の概要 |
重力の決定的な弱さの謎、量子化の困難に突破口を与えうる実験的兆候を探すべく、主にミクロンスケールにおける重力の逆二乗則の検証実験を進めた。前年度までにNewton-Vを改良し、特に重力源とセンサーである50ミクロンのワイヤーを接近させる事に成功した。これにより近距離における逆二乗則検証の精度が大幅に高まり、未検証領域まであと1桁に迫るところまで検証精度を高めることに成功した。検証精度のボトルネックとなっていたアトラクターの軸ブレに対し、測定方法を工夫する事でこの影響を抑制する事が出来た。 また、ワイヤーカンチレバーの位置測定に関して、レーザー干渉型変位計の感度が10倍高いものを新たに導入し、センサー由来の分解能の悪化要因を抑える事が出来た。これによって現在、測定のボトルネックは軸ぶれ、センサー分解能を抑えた結果、地面振動が支配的となった。これを考慮し、池袋での地面振動環境が原因である事から、横須賀、松代、神岡にて地面振動レベルの測定と、実際のワイヤーカンチレバーの振動をレーザー干渉型変位計を用いて実測した。結果として振動レベルを1桁下げられる事が判明した。これを受けて、次年度は装置の小型化の後に移設作業を行う予定である。 また、余剰次元と並んで重力の量子化のもう一方の突破口であるローレンツ対称性の検証実験も原理検証の後に、本番のデータ収集を行う事が出来た。得られたデータは現在、解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画の通り、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
Newton-V本体を小型化して、松代への移設作業を行う。また、それと並行してワイヤーのバネ定数の評価方法を、計算から実測へと変更する。その為の校正測定装置一式を設計してこれを実装する。ローレンツ対称性の検証は物理測定が完了しており、物理解析を進めて結果を公表する。
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