研究分担者 |
高橋 芳幸 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (00372657)
中島 健介 九州大学, 理学研究院, 准教授 (10192668)
倉本 圭 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50311519)
佐藤 隆雄 北海道情報大学, 経営情報学部, 准教授 (50633509)
杉山 耕一朗 松江工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (60463733)
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研究実績の概要 |
今年度は, 前年度に引き続き木星型惑星大気の表層ジェット生成のメカニズムの研究に用いられいる「浅いモデル」と「深いモデル」の 2 系統のモデルについて系統的なパラメター数値実験とデータ解析を進めた. 「浅いモデル」の数値実験設定は設定は Schneider and Liu (2009) および Lian and Show man (2010) のモデルと設定を見直し, 下面境界を数 100 気圧(深さ数 100km)程度にまで深くし, 下面レイリー摩擦を一様にして人為的な設定を排除したものである. 本研究の参加者がこれまでに開発を続け運用してきた,地球流体電脳倶楽部の惑星大気大循環モデル DCPAM (http://www.gfd-dennou.org/library/dcpam/) を用いての系統的なパラメータ数値実験の結果の比較のための基本的な設定での計算を行った. 「深いモデル」は Heimpel and Aurnou (2007) の設定を改訂した設定で, より長時間積分する系統的な数値実験を終えて, データ解析を進めた. 結果を支配している超粘性パラメターに対する表面平均帯状流の依存性を調べた結果, Heimpel and Aurnou (2007) の結果とは異なり, 超粘性の効果を弱くしていくと中高緯度の縞状ジェットが融合していき, 最終的に赤道で 1 本, 両半球に 1 本づつの計 3 本の西風ジェットとなることが見出された. この結果は木星型惑星の表層帯状風を既存の「深いモデル」で説明するには不十分であり, 中高緯度のジェットの融合を阻害する過程が新たに必要であることを示している.
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