研究課題/領域番号 |
21H01183
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
石塚 治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 首席研究員 (90356444)
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研究分担者 |
海野 進 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (30192511)
Conway Christopher 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (50844619)
谷 健一郎 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 研究主幹 (70359206)
針金 由美子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 上級主任研究員 (90569360)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | プレートテクトニクス / 沈み込み開始 / 南西太平洋 / マグマ |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き,南西太平洋地域でのプレート沈み込み開始と島弧創成過程を記録しているビチアス弧について,地質調査と試料採取を計画した.2023年度分調査として主にニューカレドニア及びその周辺地域で調査を実施した.ニューカレドニアでは,約5500万年前以降の沈み込み開始前後と考えられる時期の火山活動の記録として主に岩脈について年代決定と岩石学的研究が行われてきた.しかしながら,新鮮な火山岩の露出が限られていることもあり,火山岩類の層序の詳細については不明であり,形成年代も解明されていない,このため,年代軸を入れた火山噴出物層序の確立と下部地殻を構成する深成岩類の形成年代の解明を目指して地質調査と試料採取を計画した.本調査計画の立案は2023年7月のフランス リヨンでのGoldschmidt国際会議出席の際,フランスのIFREMERおよびブレスト大学の研究者と打ち合わせにより行った. 調査は2023年度末の17日間の日程で実施した.調査では,上記のフランスの研究者とともに,ニューカレドニア地質調査所の全面的な協力を得て実施した.調査ではこれまで十分な年代データの得られていない海洋地殻を構成すると考えられる玄武岩溶岩や,ボニナイト溶岩,および礫岩中の火山岩礫等の産状観察と試料採取を実施した.またマントルかんらん岩-下部地殻岩石が大規模に露出する地域において,ガブロー閃緑岩質岩石の試料採取を実施した.これらの試料について2024年度に分析実施予定である. 一方過年度の調査航海で実施した,西太平洋の西フィリピン海盆とその周辺海域での採取試料について分析結果を取りまとめ,伊豆小笠原マリアナ弧形成につながるプレート沈み込み開始期のテクトニクスの復元について論文化,投稿した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フランスとの共同研究体制を構築することができ,今後の調査研究を進展させる上で貴重な足がかりを得ることができたと考えている.試料採取も概ね予定どおり実施することができた.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となるが,2024年度にニューカレドニアでの採取試料を完了させ,南西太平洋地域でのプレート沈み込み開始時期の特定への手がかりを得ることを目指す.
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