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2022 年度 実績報告書

PCSモデルと剛体多リンク系の統合によるスポーツ義足運動解析とロボット制御の科学

研究課題

研究課題/領域番号 21H01282
配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

山本 江  東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (20641880)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワードソフトロボティクス / デジタルヒューマン
研究実績の概要

昨年度に引き続き、スポーツ義足をはじめとした柔軟変形する梁状の構造の力学を計算するpieace-wise constant strain (PCS)モデルと剛体多リンク系モデルを統合したハイブリッドリンク系の運動学・動力学計算ライブラリの開発を進め、特に以下の成果を得た。
1)スポーツ義足を装着した被験者のモーションキャプチャ計測と3次元再構成:下肢に障がいを持つ被験者を対象として、スポーツ義足を装着した際の歩行や走行動作のモーションキャプチャ計測を行い、光学式マーカの位置情報から骨格運動と義足の変形を同時に3次元再構成する逆運動学計算を実装した。これにより運動中の重心の揺動の様子や、義足の持つ弾性が身体部に与える影響をコンプライアンス楕円体として可視化する等を可視化することができ、運動解析への寄与が期待できる。
2) ハイブリッドリンク系の逆動力学計算と床反力推定:1)の3次元再構成結果から運動中に関節や義足に加わる力・モーメント、および床から受ける反作用力を同時推定する逆動力学計算を実装した。床反力の推定結果とモーションキャプチャにおいて計測した床反力の実際の値を比較し、誤差が小さいことから提案するハイブリッドリンク系の妥当性を示すことができた。
3) ハイブリッドリンク系の順動力学シミュレーションの高速化とロボット制御への応用:義足を装着したヒューマノイドロボットを主に想定し、順動力学シミュレーションの高速化について開発を進めた。計算プログラムの並列化、アルゴリズムの見直しによって昨年は数時間かかっていたシミュレーションを数分~数十分で行えるようになった。また、義足の柔軟性を考慮したヒューマノイドの全身運動制御法についてもあったらしいアルゴリズムを開発し、シミュレーションによって妥当性を検証した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

目標としていたモーションキャプチャ計測、逆運動学計算による3次元再構成、逆動力学による関節トルク・粘弾性力の同時推定の開発を達成しており、さらに床反力の推定、順動力学シミュレーションの高速化までを達成したことから当初の計画以上に進展していると考える。義足の粘弾性推定、筋張力推定についても目途が立っている状況である。

今後の研究の推進方策

逆動力学計算結果から、運動中に被験者の身体内部で発生する筋張力推定を実装する。その際、被験者のMRI画像等から下肢の筋配置を特定し筋骨格モデルへと反映する。また、順動力学シミュレーションに関して、陰的積分法の実装や各種物理量の変分計算アルゴリズムを開発することでシミュレーションの高速化を目指す。ロボット制御についてはシミュレーションだけでなく実際のロボットハードウェアを用いた実験検証についても取り組む。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 学会発表 (10件) (うち国際学会 5件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 閉リンク系を含む全身の力学的コンプライアンス最適化とヒューマノイドの運動制御への応用2023

    • 著者名/発表者名
      山本江,Zewen He
    • 学会等名
      第28回ロボティクスシンポジア
  • [学会発表] Decoupling of Inertia Effect in Angular Momentum of a Humanoid and its Application to Resolved Viscoelasticity Control2022

    • 著者名/発表者名
      Zewen He and Ko Yamamoto
    • 学会等名
      2022 IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA2022)
    • 国際学会
  • [学会発表] Integration of Variable-height and Hopping Strategies for Humanoid Push Recovery2022

    • 著者名/発表者名
      Ko Yamamoto, Naoki Kobayashi, Taiki Ishigaki and Yuichi Sakemi
    • 学会等名
      2022 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS 2022)
    • 国際学会
  • [学会発表] Yuta Shimane and Taiki Ishigaki, Sunghee Kim, Yosuke Ikegami, Ko Yamamoto2022

    • 著者名/発表者名
      Yuta Shimane and Taiki Ishigaki, Sunghee Kim, Yosuke Ikegami, Ko Yamamoto
    • 学会等名
      2022 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS 2022)
    • 国際学会
  • [学会発表] Humanoid Running based on 3D COG-ZMP Model and Resolved Centroidal Viscoelasticity Control2022

    • 著者名/発表者名
      Zewen He and Ko Yamamoto
    • 学会等名
      2022 IEEE-RAS International Conference on Humanoid Robots (Humanoids 2022)
    • 国際学会
  • [学会発表] Inverse Kinematics of Hybrid Multi-link System and its Application to Motion Capture for Athlete Wearing Sports Prosthesis2022

    • 著者名/発表者名
      Sunghee Kim, Taiki Ishigaki, Yuta Shimane, Yosuke Ikegami, and Ko Yamamoto
    • 学会等名
      2022 IEEE-RAS International Conference on Humanoid Robots (Humanoids 2022)
    • 国際学会
  • [学会発表] Piece-wise Constant Strain モデルに基づく 競技用義足の柔軟変形の計算と剛性パラメータの推定2022

    • 著者名/発表者名
      嶋根裕太,石垣泰暉,金星喜,池上洋介,山本江
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会
  • [学会発表] 柔剛体を統合したハイブリッドリンク系によるヒューマノイドの動力学計算2022

    • 著者名/発表者名
      石垣泰暉、山本江
    • 学会等名
      第40回日本ロボット学会学術講演会
  • [学会発表] 可変時定数制御によるヒューマノイドの跳躍動作の生成2022

    • 著者名/発表者名
      小林直樹、山本江
    • 学会等名
      第40回日本ロボット学会学術講演会
  • [学会発表] Piece-wise Constant Strainモデルに基づく 競技用義足の動力学計算と評価2022

    • 著者名/発表者名
      嶋根裕太,石垣泰暉,金星喜,池上洋介,山本江
    • 学会等名
      第40回日本ロボット学会学術講演会
  • [備考] Ko Yamamoto

    • URL

      http://www.ynl.t.u-tokyo.ac.jp/member/yamamoto-ko/

  • [産業財産権] 運動解析方法及び装置2022

    • 発明者名
      山本江、石垣泰暉、金星喜、嶋根裕太
    • 権利者名
      東京大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2022-87347

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公開日: 2024-12-25  

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