研究課題/領域番号 |
21H01352
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小蔵 正輝 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (10800732)
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研究分担者 |
櫻間 一徳 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (10377020)
下野 昌宣 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 招へい准教授 (30552137)
柳澤 大地 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70611292)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Shepherding / ニューロンネットワーク / 群衆運動 |
研究実績の概要 |
研究計画記載の通り,拡散的刺激を用いた群れの誘導,分離制御手法の開発に継続して取り組んだ.前者については,牧羊犬と呼ばれる刺激印可用の外部エージェントが角度情報しか測定できない状況におけるshepherding手法を提案し評価を行っている.当該成果の有効性評価は概ね済んでおり,現在は欧文査読付き学術論文誌へ投稿中である.また,人間の脳に代表されるようなニューロンネットワークにおいて所望のニューロン発火パターンを実現するための制御電流設計手法を提案した.当該手法はモデル予測制御と呼ばれる制御技術に基づいており,ニューロン数が15から100程度のネットワークの制御における有効性が確認されている.本成果は査読付き国際会議にて発表済みであり,現在は欧文査読付き学術論文誌へ投稿中である.さらに,shepherdingとは双対の関係にあるleader型の誘導制御手法の提案と評価を行った.誘導制御対象の群れが異種のエージェントから成る場合においても一定の誘導制御が可能となるようなリーダーの機動法則を設計した.この機動法則は群れの重心の経時変化に基づいてリーダーのダイナミクスを変更するものであり,新規性が高い.本成果は欧文査読付き学術論文誌へ投稿中である.分離制御手法については,同じくshepherdingと呼ばれる枠組みにおいて,特定のエージェントを所望の地点付近にとどめるための牧羊犬軌道法則を提案し,査読付き国際会議にて発表済みである.同手法は制御理論に基づいており,その性能に対する数学的な保証が与えられている点において,従来のshepherding研究とは一線を画する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題申請時に掲げた計画に概ね沿った進捗が得られている.最終年度に予定していた実検証についてはコロナ禍の影響で準備が遅れているが,研究遂行から得られる知見に影響を及ぼさないようにシミュレーションを併用しつつ進める.
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今後の研究の推進方策 |
過去3年度に得られた成果を統合し,異種群の誘導,分離制御のための統一的な理論を整備する.また,得られた理論の実検証を可能な範囲で積極的に進める.実検証は上述の通りコロナ禍の影響で準備が遅れているが,研究遂行から得られる知見に影響を及ぼさないようにシミュレーションを併用しつつ進める.
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