研究課題/領域番号 |
21H01353
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
杉本 謙二 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (20179154)
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研究分担者 |
小林 泰介 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (10796452)
小蔵 正輝 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (10800732)
橘 拓至 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (20415847)
橋本 和宗 大阪大学, 工学研究科, 助教 (60883361)
花田 研太 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (80783703)
潮 俊光 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (30184998)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 2自由度制御 / 適応学習 / 切り替え系 / サンプル値制御系 / ネットワーク制御 / 線形行列不等式 |
研究実績の概要 |
今年度(2021年度)は本研究課題に取り組む最初の年であったが、この課題は2018年度から2020年度まで取り組んできた基盤研究(B)18H01462とも密接に関連している。まず、2019年度から2020年度にかけて大きく進展した切替状態推定の二乗平均誤差を低減する問題の解法を完成させることを目指した。形として一応の完成は見たものの、今のところ時変Kalmanフィルタと比べて明確な優位性を示すまでには至っていない。この問題に対して新たな視点を提供したというレベルに留まっている。 また、もう一つの提案手法であるフィードフォワードのパラメータ調整を、小型移動ロボットを用いた隊列走行の縦方向制御に適用する検証実験に取り組んだ。担当の大学院生が優秀かつ熱心だったお陰で実装は順調に進み、彼が登壇者として成果を発表した際には学生発表賞を受賞する等、高い評価をいただいた。さらに坂道などの外乱の影響を抑制する工夫も盛り込み、2022年度も実験を続ける予定である。また、提案手法を多入出力系へ拡張する理論研究も部分的に成功し、海外の著名な学術誌への採録を勝ち取ることができた。しかしこの拡張はある厳しい仮定の下でしか示せなかったので、多入出力系に特有の問題を完全に解決したとは言えず、引き続き検討を進める必要がある。 水中ドローンについては分担者の花田助教が計測信号の処理系を構築してくれたので、いよいよ検証実験に取り掛かる段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
個々の研究については順調に進んだものや、逆に成功に至っていないものがある。しかし本課題と密接に関連する論文に対して研究代表者が2021年5月にシステム制御情報学会の論文賞をいただき、また隊列走行の実験結果を口頭発表した際には登壇者の学生が学生発表賞をいただいた。その意味で、研究全般については学界から高い評価をいただいているものと考える。成果発表も順調に行っている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度から研究代表者が南山大学に異動し、一部の分担者が交替する等、メンバー構成には変化があるものの、理論研究については今後も同じ方針に沿って推進してゆく。一方、実験については研究環境の変化に伴って柔軟に対応する予定である。具体的には、奈良先端大において水中ドローンの実験を本格化する一方、南山大学においても実験を実施する体制を構築する。
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