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2023 年度 実績報告書

運動組織化と反射機能の電子化による筋電義手操作性の向上

研究課題

研究課題/領域番号 21H01379
配分区分補助金
研究機関北海道大学

研究代表者

葛西 誠也  北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (30312383)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード筋電義手 / 運動組織化 / 反射応答 / リザバー計算 / 組合せ最適化
研究実績の概要

1.モーター消費電力に基づく力覚センシングメカニズム:ロボットアームを動作させるサーボモーターの消費電力を同時計測できる機構を設け、負荷重量が異なるあるいは動きを変えた時に消費電力の時系列が変化し区別されることを確認した。
2.表面筋電筋電位積分機構のパラメータ最適化:身体運動制御系をリザバーとみなした独自の運動推論機構においては、双極誘導波形の線型結合では学習ができないことがわかりその原因について解析した。またこの知見に基づき、動作推論可能にする筋電波形積分機構を最適化した。
3.表面筋電センサの性能向上:配線雑音抑制により安定化を行なった。動作安定化に伴いセンサの検出利得を高めることが可能になり、前腕に取り付けた表面電極で指の動きに伴う極微弱筋電を捕捉できるようになった。
4.バウンスバック回路の再構成化:アメーバ型アナログ最適化計算システム(アナログ電子アメーバ)において最適化の制約式を実装するバウンスバック回路を再構成化するためにクロスバーを用いた構成を設計し、小規模回路を試作評価し再構成可能であることおよびこれをもちいた解探索が可能であることを実験実証した。
5.アメーバ型最適化システムを応用した自律歩行ロボットの行動発達メカニズムの改善。視覚に頼らない身体感覚で行動を評価する目的で、加速度センサによる歩行距離の推論機能の実装を行なった。推論移動距離が実測値と大きく異なっていた。加速度時系列解析より原因の理解と解決の見通しを得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

従来の力覚センサを用いず力覚情報を取得する独自の方法を見出すことや、独自の生体リザバー機構で精度良く意図動作推論が可能になるなど複数の成果を得ることができた。アメーバ型自律ロボット制御とその行動発達メカニズムを応用し筋電義手が自発的に「慣れる」機能を実装するコンセプトを見出すことができた。問題点がいくつか生じたが、いずれも原因理解と対策がなされた。

今後の研究の推進方策

これまでの成果として得られている要素技術を一体化した筋電義手制御システムを構築し操作性を評価する。前年度にコンセプト提案し原理的に可能であることを示したモーター消費電力に基づく力覚センシングメカニズムを実装する。ここで力覚情報は振動による人工感覚フィードバックに用いるとともに、筋電信号解析機構にもフィードバックし、義手の反射機構として自動的に動作アシストするようにする。
また、表面筋電センサの外部雑音抑制による安定化と指の動きに伴う前腕での極微弱筋電を捉える高感度化を図り、前年度で実証した運動制御系をリザバーと見立てた独自の生体リザバー計算随意運動推論と融合する。最後に以上3つの要素技術を一体化したし筋電義手制御システムを完成させロボットアーム制御を試みる。加えて、独自のアメーバ型自律歩行ロボット制御機構を応用し、筋電義手が自発的に「慣れる」機能を実装するために使用者の行動パターンや環境に合わせて自発的に応答を改善する機構を開発する。

備考

(2)は動画中に紹介あり

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [学会発表] セルオートマトンにおける1/fゆらぎの生成と外乱の影響2024

    • 著者名/発表者名
      上田羽純, 葛西誠也
    • 学会等名
      令和5年度IEICE北海道支部学生会主催インターネットシンポジウム
  • [学会発表] 粘菌型自律ロボットの行動発達に向けた歩行移動距離推定法の検討2024

    • 著者名/発表者名
      松田一希, 葛西誠也
    • 学会等名
      第71回応用物理学会春季学術講演会
  • [学会発表] 1/f音の電子トラップ時定数分布2024

    • 著者名/発表者名
      谷田部然治, 葛西誠也
    • 学会等名
      第71回応用物理学会春季学術講演会
  • [学会発表] Readout of Voluntary Motion From Myoelectric Signals Based on Reservoir Computing Framework2023

    • 著者名/発表者名
      T. Yoshida and S. Kasai
    • 学会等名
      2023 Asia-Pacific Workshop on Fundamentals and Applications of Advanced Semiconductor Devices (AWAD2023)
    • 国際学会
  • [学会発表] 粘菌型最適化を用いた4脚自律ロボットにおける動作制約と歩行行動の関係2023

    • 著者名/発表者名
      松田一希, 葛西誠也
    • 学会等名
      電子情報通信学会CPM, SDM, ED合同研究会
  • [学会発表] アナログ電子アメーバの時定数と最適化問題解探索能力の関係2023

    • 著者名/発表者名
      吉田聖,葛西誠也
    • 学会等名
      第84回応用物理学会秋季学術講演会
  • [備考] 研究室ホームページ

    • URL

      https://hydrogen.rciqe.hokudai.ac.jp/~kasai/home.html

  • [備考] 熊本 NEWS WEB 「くまもと産業復興エキスポ」始まる 台湾企業のブースも

    • URL

      https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20240228/5000021401.html

  • [産業財産権] 解探索システム, 解探索方法及び解探索プログラム2023

    • 発明者名
      青野真士, 葛西誠也, 大古田香織, 福田慎悟
    • 権利者名
      Amoeba Energy, 北海道大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      18/140,426
    • 外国

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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