研究課題/領域番号 |
21H01418
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
澤田 純男 京都大学, 防災研究所, 特任教授 (70187293)
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研究分担者 |
藤澤 和謙 京都大学, 農学研究科, 教授 (30510218)
吉田 望 関東学院大学, 工学総合研究所, 研究員 (50405891)
竹林 洋史 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70325249)
新垣 芳一 東電設計株式会社(新領域研究開発推進室), 新領域研究開発推進室, 課長代理 (90704354)
栗間 淳 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (50981859)
鍬田 泰子 神戸大学, 工学研究科, 教授 (50379335)
後藤 浩之 京都大学, 防災研究所, 教授 (70452323)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 流動現象 |
研究実績の概要 |
液状化による側方流動や土石流の流下量といった土粒子を含む流動現象は,その力学プロセスの理解が本質的に難しいことから,これまで統一的な観点で体系化されていない.本課題は,土粒子が流体により輸送される現象(粒子フロー)として土石流から地盤の流動現象までを統一的に扱う方法論を研究するものである.粒子フローのミクロなプロセスを,土骨格相から浮遊土粒子相への相変化としてモデル化することで,連続体として,現在広く実用化されている有限要素解析に直接応用できるように実現化することを目指している. 令和3~4年度には,液状化時に繰り返し生じる剛性の回復と劣化を,内部浸食と再堆積として表現するモデルを提案した.さらに,透明容器を用いたリングせん断試験を実施し,せん断帯付近の粒子運動を解明した.また,土の変形特性のモデル化を機械学習を取り入れた手法により試み,試験データの再現性を向上させつつ,学習データに含まれない挙動を安定して出力できるモデルを実現した. 令和5年度には,提案モデルの解析には大変形解析が必須だがメッシュベースの手法では限界があるため,メッシュベースと粒子法のハイブリッド法であるMaterial Point Method(MPM)を動的解析に適用するため吸収要素であるPerfectly Matched Layer(PML)を導入する手法と,Space-Time有限要素法を利用して任意のメッシュ移動を許容する手法を開発した.また,提案モデルのパラメータを求める新しい要素試験法として,小型の非排水飽和土を入れた模型を振動台で加振して液状化させた後,模型側壁を引張載荷することにより粘性を計測する方法について検討した.これに加えて土質試験結果を原位置の力学特性を求めるための補正法を提案し,さらに粘着性材料の含有率が流動特性に与える影響について,水路実験を実施することによって検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り研究が進められており,概ね順調である.
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度には,前年度に開発した2つの解析法を用いて,液状化した地盤が大きく変形して発生する噴砂現象等が表現できるかどうかを検討するため,提案モデルを用いた大変形解析を実施する.また,前年度より新たに開発を始めた要素試験法を改良し,液状化状態を保持しながら粘性と抵抗を正確に計測できる方法を開発する. さらに,前年度には試験機のトラブルで実施できなかった,リングせん断試験機を用いた実験を令和6年度には実施し,特に液状化初期の固相から液相に変相する状態を可視化することによって,提案モデルの妥当性と改良の方法を検討する.また,リングせん断実験と水路実験の結果から,マクロな現象として土石流と,ミクロな現象としての液状化の類似点と相違点を明らかにし,この知見を提案モデルに反映できるような方法論について検討を行う.
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