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2022 年度 実績報告書

グローバル農業干ばつ危険度確率予測

研究課題

研究課題/領域番号 21H01430
配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

澤田 洋平  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30784475)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード農業干ばつ / 生態水文 / データ同化
研究実績の概要

本研究の目的は、(1) 植物の生長・枯死を直接計算し、(2) 観測とモデルを統合した正確なモニタリングができ、(3) 予測の不確実性を精緻に定量化し、(4) モデルが直接解像出来ない「地域の実情」に即した危険度指標を算出する、ことのできる先進的な干ばつ監視・予測システムの開発を行うことである。このようなシステム開発とその応用を通じて、農業干ばつ予警報の理想形を追求し、開発途上国をはじめとする干ばつリスクの高い地域の持続可能な発展に貢献する。
当該年度においては前年度までに概ね完成している陸域データ同化システムの出力と、社会統計を結びつけ、生態水文量の低下がもたらす社会インパクトを定量化した。干ばつ災害が生じた位置を正確に把握することのできる最新の災害データベースを効果的に用いて、シミュレーションで計算した生態水文量と実際に起こった災害を結びつける関数をデータ駆動型アプローチで見出す。これにより、「農業干ばつ危険度」の算出を可能とした。
特に、あまり水文気候学的にはあまり大きな干ばつ災害が起きているようには見えないにも拘わらず、災害データベースで大きな干ばつ災害が記録されているようなイベントに注目し、地域ごとの紛争や不安定な経済、移民によって引き起こされる干ばつ脆弱性を定量化することに成功したことが大きな進捗である。
このような成果に加えて、陸域データ同化システムの出力が宇宙航空研究開発機構の正式な研究プロダクトとして公開されることも決まり、オーブンサイエンス的なアプローチで農業干ばつの監視と予測に取り組む体制も整いつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究において大きなハードルの一つであった陸域データ同化システムの出力と災害データベースを結びつける部分の研究開発におおむね目途・今後の方針が立ち、順調な進捗がみられる。

今後の研究の推進方策

当初計画通り、次年度においては農業干ばつの予測可能性を評価するための数値実験を行う。また、農業干ばつ監視・予測システムのリアルタイム運用に向けた開発も行う。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Global assessment of subnational drought impact based on the Geocoded Disasters dataset and land reanalysis2022

    • 著者名/発表者名
      Kageyama Yuya、Sawada Yohei
    • 雑誌名

      Hydrology and Earth System Sciences

      巻: 26 ページ: 4707~4720

    • DOI

      10.5194/hess-26-4707-2022

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Soil moisture-vegetation interaction from near-global in-situ soil moisture measurements2022

    • 著者名/発表者名
      Li Shuping、Sawada Yohei
    • 雑誌名

      Environmental Research Letters

      巻: 17 ページ: 114028~114028

    • DOI

      10.1088/1748-9326/ac9c1f

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 生態水文情報学:干ばつ監視・予測・制御のサイエンス2023

    • 著者名/発表者名
      澤田洋平
    • 学会等名
      東大水フォーラム公開シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] Global assessment of sub-national drought impact based on the Geocoded Disasters dataset and land reanalysis2022

    • 著者名/発表者名
      Sawada, Y., and Y. Kageyama
    • 学会等名
      AGU Fall meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] Ecohydrological land reanalysis by assimilating satellite microwave observations into a land surface model2022

    • 著者名/発表者名
      Sawada, Y., H. Tsutsui, H. Fujii, and T. Koike
    • 学会等名
      International Symposium of Data Assimilation (ISDA) Online
    • 国際学会
  • [学会発表] AMSR-E/AMSR2に基づく長期陸域生態水文観測/再解析を基軸とした陸域生態系変動と干ばつの解析2022

    • 著者名/発表者名
      澤田洋平, 筒井浩行, 藤井秀幸, 奈良秀春, 影山雄哉, 小池俊雄
    • 学会等名
      日本気象学会秋季大会

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公開日: 2023-12-25  

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