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2021 年度 実績報告書

気象システムに着目した東アジアにおける洪水の将来変化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21H01442
配分区分補助金
研究機関京都先端科学大学

研究代表者

内海 信幸  京都先端科学大学, ナガモリアクチュエータ研究所, 助教 (60594752)

研究分担者 渡部 哲史  京都大学, 防災研究所, 特定准教授 (20633845)
金 炯俊  東京大学, 生産技術研究所, 特任准教授 (70635218)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード地球温暖化 / 気象システム / 熱帯低気圧 / 豪雨
研究実績の概要

本研究は東アジアにおける洪水変化の要因を気象システムの面から明らかにするものである。東アジアを含む北西太平洋域において、熱帯低気圧は水害につながる豪雨をもたらす主要な気象システムの一つである。過去の観測では、北西太平洋において熱帯低気圧に伴う豪雨のパターンが過去数十年間で変化していることが確認されている。しかしこの変化が地球温暖化の影響によるものかどうかはわかっていなかった。そこで観測された変化に地球温暖化が影響しているかどうかを調べるため、まず気象場から熱帯低気圧を客観的に抽出する手法の改良を行った。
次に、改良した検出手法を用いて、大規模アンサンブル気候シミュレーションデータ(d4PDF)から熱帯低気圧を検出した。これを観測と比較した結果、東アジアにおいて観測された熱帯低気圧の豪雨の変化の空間パターンは、シミュレーションから示唆される温暖化の影響のパターンと類似していることが示された。そこでさらにフィンガープリント分析と呼ばれる手法を用いた解析を行ったところ、観測された変化は地球温暖化の影響なしには説明できないことが明らかになった。これは温室効果ガスによる地球温暖化の影響が、熱帯低気圧の豪雨パターンの変化としてすでに顕在化していることを示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

北西太平洋域の観測で確認されていた熱帯低気圧に伴う豪雨の変化について、人間活動に由来する温暖化が影響していることを示すことができ、その成果は国際誌Nature Climate Changeに掲載された。

今後の研究の推進方策

熱帯低気圧に加え、梅雨前線など東アジア域で大きな影響を持つ気象システムの検出手法についても改良・開発を行う。また、結合モデル実験CMIP6などの気候シミュレーションデータの収集を行い、解析を進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Observed influence of anthropogenic climate change on tropical cyclone heavy rainfall2022

    • 著者名/発表者名
      Utsumi Nobuyuki、Kim Hyungjun
    • 雑誌名

      Nature Climate Change

      巻: 12 ページ: 436~440

    • DOI

      10.1038/s41558-022-01344-2

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] A DISCUSSION ON EXTREME PRECIPITATION UNDER 2°C AND 4°C WARMING IN d4PDF FOCUSING ON THE INVERSION OF FUTURE CHANGE2021

    • 著者名/発表者名
      WATANABE Satoshi、UTSUMI Nobuyuki、KITANO Toshikazu、NAKAKITA Eiichi
    • 雑誌名

      Journal of Japan Society of Civil Engineers, Ser. B1 (Hydraulic Engineering)

      巻: 77 ページ: I_1279~I_1284

    • DOI

      10.2208/jscejhe.77.2_I_1279

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2023-12-25  

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