研究課題/領域番号 |
21H01452
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
倉内 文孝 岐阜大学, 工学部, 教授 (10263104)
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研究分担者 |
應 江黔 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (30242738)
杉浦 聡志 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (30648051)
安藤 宏恵 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 助教 (00880056)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | マルチレイヤーネットワーク / 相互依存構造 / 接続性評価 / 可制御性評価 / ネットワークデザイン問題 |
研究実績の概要 |
研究初年度である令和3年度においては,文献レビューによるマルチレイヤーネットワークに関する既存研究の整理に加え,その評価方法や災害発生時の接続性評価方法,可制御性評価のあり方についての検討を進めた.以下が今年度の成果である. A.マルチレイヤーネットワークの相互依存性評価手法に関する検討(倉内,應):交通,電力,情報のインフラネットワークについて相互依存性の評価方法の検討を進めた.道路や情報ネットワークの接続判定手法として,賞金収集シュタイナー木問題(PCSTP)による表現が可能であることが明らかとなった.また,電力ネットワークの供給判定には,最適潮流問題を解けば得ることができ,上記のPCSTPと類似した混合整数線形計画問題として記述できることが確認できた.簡単なネットワークにおける試算結果より提案した方法の有効性を確認した. B. 災害発生時を想定した接続性評価に関する検討(安藤,倉内):災害発生時の接続性評価については,より一般的普遍的な知見を得るための方法論として,道路網のネットワーク特性を考慮した仮想ネットワークの作成手法を検討するとともに,この手法により構築したネットワーク上で接続性評価手法の検討を行った. C. 感染症拡大時の可制御性評価(杉浦):可制御性の評価では,最低限の制御で効率的な抑制が可能となることが重要であり,最大流問題として記述可能であることを確認した.最大流問題は,上記のPCSTPとほぼ類似した形で定式化が可能である. D. ネットワークデザイン問題の解法検討(全員):文献調査により,ネットワーク機能判定問題を下位問題として有するデザイン問題の解法検討を進めた.下位問題の特性より,そのKKT条件を記述することで比較的簡単な問題として記述できることを確認した.また,解法として,問題を2つにわけ効率的に求解するベンダーズ分解の有効性が期待される.令和4年度以降その検討を進めることにする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究当初に予定していた内容について,順調に成果を得ている.
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に基づき,以下の通り検討を実施する. A.マルチレイヤーネットワークの相互依存性評価手法に関する検討(倉内,應):昨年度に検討した,交通ネットワーク,情報ネットワーク,電源供給ネットワークの表現方法をもとに,相互依存性評価手法の開発を行う. B.災害発生時を想定した接続性評価に関する検討(安藤,倉内):災害時接続性評価モデルの定式化を行い,簡単なネットワークで挙動確認を行う. C.感染症拡大時の可制御性評価(杉浦):可制御性評価モデルの定式化を行い,簡単なネットワークで挙動確認を行う. D.ネットワークデザイン問題の解法検討(全員):接続性及び可制御性を統合して評価可能なモデルのあり方について検討を加える.特にベンダーズ分解の実行可能性について試行計算を通じて確認する.
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