研究課題/領域番号 |
21H01452
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
倉内 文孝 岐阜大学, 工学部, 教授 (10263104)
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研究分担者 |
應 江黔 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (30242738)
杉浦 聡志 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (30648051)
安藤 宏恵 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 助教 (00880056)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | マルチレイヤーネットワーク / 相互依存構造 / 接続性評価 / 可制御性評価 / ネットワークデザイン問題 |
研究実績の概要 |
令和5年度においては,以下の点について分析を行った. まず,マルチレイヤーネットワークにおける相互依存性を考慮した接続性評価について,昨年度までに構築したモデルを下位問題として位置づけ,その元で最適な施設整備を上位問題として位置づけたネットワークデザインモデルへの拡張に成功した.得られたモデルを用い,道路ネットワークにおける新規道路建設および新規防災拠点の整備,そして電力ネットワークにおける変電所整備および新規電線整備の効果についての検討を可能とした.下呂市のネットワークにモデルを適用し,提案した手法の妥当性を確認した. また,特に電力ネットワークの脆弱性向上対策として,電気自動車(EV)に着目し,地域内にEV車両を戦略的に配置することによって,災害発生時においても電源供給が可能であるか検討した.その結果,発災直後の一定期間において電源供給が可能となることが確認され,またEVの配置戦略によってその効果は異なることが確認できた.今後,主要防災拠点にEV車両を事前配備することや,山間地のコミュニティ交通のEV化などが地域のレジリエンス向上に寄与する可能性があることを示したといえる. 可制御性評価についても基本的な概念を整理するとともに,数理問題としての定式化を行った.この検討においては,連結されているネットワーク内に必要な設備が確保されつつ,なおかつ異なるネットワーク間でのカットのリンク数が小さくなるような地域の分割方法について検討を加えた.今後,施設整備などを通じたカット変化のデザイン手法について,検討を進めていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初より予定していた成果が順調に得られている.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は研究最終年度にあたり,特に接続性と可制御性評価モデルの双方を考慮した統合モデルの構築を検討する.また,研究成果をとりまとめ,国内外へ発信することを試みる.
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