研究課題/領域番号 |
21H01494
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
鳥海 吉弘 東京電機大学, 理工学部, 教授 (90649162)
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研究分担者 |
李 時桓 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (60624997)
倉渕 隆 東京理科大学, 工学部建築学科, 教授 (70178094)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 換気システム / 感染症対策 / 自宅療養室 / 機械換気設備 / 換気方式 / 自然換気 / 自動開閉窓 / 省エネルギー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、アフターコロナ社会において、安全かつ快適な住宅の室内空間を提供できる換気システムの開発である。 2023年度(今年度)の目的は、1)自宅療養室の機械換気設備計画と空気環境の評価、2)自動開閉窓システムの再構築、3)自動開閉窓システムの制御方法の見直しであった。1)は機械換気、2)と3)は自然換気についての検討である。 1)については、2022年度にカスケード型ダクトレスの第2種換気方式について検討したが、外部風等の外界気象条件や居住者の人体擾乱に弱く、自宅療養室から移流が生じる可能性が高いことが明らかになった。また、設計風量が多くなること、居室の空気質の確保が困難であることがわかった。そのため、今年度は住宅の換気方式を第3種換気方式に変更し、想定する自宅療養室に排気専用の補助ファンを設置して実験を行った。その結果、①補助ファンを運転することにより住宅全体の換気量も増加し,特に自宅療養室の空気環境が改善される、②補助ファンにより室内外差圧は大きくなり,他空間や屋外に対して自宅療養室は正圧になる、③したがって、補助ファンにより自宅療養室の空気質の確保と感染性粒子の流出防止が可能であることを示した。 2)については、これまで引き違い窓に関して検討を行ってきたが、防犯上や居住者の使い勝手を考慮し、今年度は開き窓と回転窓に関して検討した。理論式から温度差と開口高さに応じた開口幅の制御式を求めて実験を行った。一部の時間帯で測定した換気量(実測値)が設定換気量(理論値)よりも大きくなった。実測値が理論値よりも大きくなる要因は外部風であり、また、1度程度のわずかな開口角度の誤差も影響することを明らかにした。 3)については、現在自動開閉窓システムは室内外温度差により制御しているが、新しい制御方法を開発するものである。理論は検討済みであるが、システムの作成と実験が残っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自動開閉窓に関して、温度差制御以外の制御方法についても検討する予定であり、自動開閉窓システムへの理論のインプットと検証実験が残っているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は、2024年度の研究実施計画に従い、1)自然換気量を制御する自動開閉窓システムに関して、内外温度差による制御以外の方法について検討する、2)自宅療養室の形成ができる機械換気設備の検討、とする。 1)については、2024年度中にシステムを構築し、検証実験を2025年度に行う。2)については、2023年度に全般換気システムを第3種換気方式とし、自宅療養室に補助ファンを設置する方法を提案している。しかし、補助ファンの適正換気量については検討が残っている。そのため、2024年度に実験住宅で検証を行う。
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