研究課題/領域番号 |
21H01564
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
渡部 大輔 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (30435771)
|
研究分担者 |
鳥海 重喜 中央大学, 理工学部, 准教授 (60455441)
平田 燕奈 神戸大学, 数理・データサイエンスセンター, 特命准教授 (20791891)
近藤 智士 福井工業大学, 環境情報学部, 准教授 (10848336)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | スマート港湾 / 国際海運 / デジタル化 / 運用効率化 / 環境負荷低減 |
研究実績の概要 |
スマート港湾に関する要素技術の開発や実証実験を対象に、海外の先進事例及び国内事例の調査を行った。現在、スマート港湾に関する要素技術の開発や実証実験などが、全世界的に進められている。中でも、ブロックチェーン(BC)の物流分野における実証実験において、サプライチェーン全体の効率性や安全性の向上などの問題解決に向けて、データサイエンスの各種手法を用いることで、BC上に蓄えられた貨物情報に関するビッグデータを利活用することが期待されている。更に、船舶自動識別装置(AIS)を活用した船舶動静データとの連携により、海上における貨物の動きを把握することで、航行遅延の見込みを事前に把握することが可能となり、ターミナルや陸送側での各種手配の予測に用いることが可能となる。一方、我が国における国際物流の情報共有に関する実態をヒアリング調査などにより把握するとともに、情報共有の障害となっている問題点を明らかにした。 そして、スマート港湾による情報共有に伴う運用最適化モデルの構築において、船舶航行データを用いた船舶入出港スケジューリングに関する最適化モデルを対象とした開発を行った。現在、AISデータを用いた船舶動静データを用いることで、船舶動静に関するリアルタイムデータを用いることで、より正確な船舶入出港のスケジュールを立てることに対して、欧米主要港で大手船社を交えた実証実験が行われている。そこで、AIS データを活用して船舶の航跡を生成し、港湾への入出港に関する通航ルートの定量的な評価を行うととに、スケジューリング問題として定式化を行い、船舶入出港の最適なタイミングを求める数理モデルのプロトタイプを構築した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍で海外渡航の制約があり海外調査が計画より遅れたものの、 申請書に記載した当初計画通り、進行しているため。
|
今後の研究の推進方策 |
スマート港湾による情報共有に伴う運用最適化モデルの構築において、船舶航行データを用いた船舶入出港スケジューリングに関する最適化モデルを対象とした開発を行う。これまで、全世界・全船種を対象とした衛星AISデータを購入することで、船舶動静データを用いた船舶入出港のスケジュールの現状把握を行った。今後は引き続き、AIS データを活用して船舶の航跡を生成し、港湾への入出港に関する通航ルートの定量的な評価を行うとともに、スケジューリング問題として定式化を行い、船舶入出港の最適なタイミングを求めることとする。 陸上輸送を対象とした内陸コンテナ輸送における共同輸送や隊列走行などを活用した運用最適化モデルについて、開発を行う。これまでに引き続き、内陸のコンテナデポを想定するとともに、隊列形成を計画的に行うための専用施設の整備を前提とし、貨物ODと隊列区間の空間配置から隊列形成をした方がメリットのがある領域について解析的に導出する数理モデルを構築する。 そして、ブロックチェーンを用いた港湾・船舶・陸上輸送の情報共有による需要予測モデルの構築を行う。国際物流に関するサプライチェーン全体における国際的かつ業際的な関係者間の情報共有において、国連CEFACTや世界税関機構など関係団体により、データ構造の標準化に関する議論が進められてきた。本年度は、貿易手続きの電子化において提案されているデータモデルなど国際標準を参照することで、データのやり取りに関するAPI規格におけるデータ構造について検討を行う。
|