研究課題/領域番号 |
21H01671
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
節原 裕一 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (80236108)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 反応性プラズマ / 低温プロセス / 酸化物半導体 |
研究実績の概要 |
酸化物半導体は、高速動作薄膜トランジスタをはじめとする次世代の機能性材料として期待されているが、現状の製造プロセスでは高温のアニールプロセスが不可欠であるためガラス上でのデバイス製造に限られており、次世代に向けたフレキシブルデバイス創成(有機材料基板上に形成)に向けた技術展開には、高品質の薄膜トランジスタを低温で形成するための新たなプロセス技術の開発が不可欠である。 このため、本研究では、酸化物半導体薄膜トランジスタ形成プロセスを研究対象とし、独自の高密度プラズマ発生・制御技術に基づく新たなプロセス制御技術の開拓と製膜過程の解明を通じて、従来のプロセスが抱える課題をブレークスルーし、低温製膜において高品質な次世代デバイスを形成可能なプロセス技術を創成することを目的としており、以下の課題を設定して研究を遂行している。[1]薄膜ナノ構造制御因子の解明、[2]薄膜ナノ構造がデバイス特性に及ぼす影響の解明、[3]高密度プラズマ支援製膜プロセス制御法の開発、[4]膜特性評価に基づくプロセスの総合評価。 上記の研究目的を達成するため、本研究計画の初年度に当たる本年度は、上記の研究課題[1]薄膜ナノ構造制御因子の解明に注力し、以下の研究を推進した。まず、スパッタ放電に高周波誘導結合型プラズマを重畳した高密度プラズマ支援スパッタ製膜プロセス装置を用いて酸化物半導体薄膜を形成し、製膜パラメータに対する制御因子の解明に注力して研究を推進した。その結果、従来の製膜プロセスに比べてプラズマの高密度化により、薄膜トランジスタの高移動度化と構造緩和に資することが示唆された。さらに、光照射下負バイアス負荷不安定性に関する評価も加味した研究を始動した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記したように、プラズマの高密度化により、従来の製膜プロセスに比べて薄膜トランジスタの高移動度化と構造緩和に資することが示唆され、さらに不安定性の評価に向けた研究も始動し、順調に進展していると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでに蓄積した知見をもとに、独自の高密度プラズマ発生・制御技術に基づく新たなプロセス制御技術の開拓と製膜過程の解明を通じて、従来のプロセスが抱える課題をブレークスルーし、高品質な次世代デバイスの低温形成が可能なプロセス技術の創成に向けて研究を推進していく予定である。
|