研究課題/領域番号 |
21H01748
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤井 稔 神戸大学, 工学研究科, 教授 (00273798)
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研究分担者 |
杉本 泰 神戸大学, 工学研究科, 助教 (40793998)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | シリコンナノディスク / トロイダル双極子共鳴 / アナポール状態 / 光電流 |
研究実績の概要 |
シリコン薄膜上にアスペクト比が小さいシリコンナノディスクのHexagonal arrayを配列した構造について、シミュレーションにより光学特性の解析を行った.その結果,消光係数が非常に小さい領域においてトロイダル双極子共鳴(アナポール状態)による非常に狭帯域な吸収が発現することを見出した.また,共鳴波長において入射電場がナノディスクの下のシリコン薄膜の領域に強く閉じ込められることを明らかにした.さらに,シリコン薄膜の厚さにより共鳴波長を非常に広範囲に制御可能である事を示した.構造パラメーターと共鳴モードの関係を明らかにすることにより,目的の波長で高い吸収増強度と高Q値を同時に実現する構造の探索を行いそのガイドラインを得た.次に,シミュレーションにより決定したナノディスクアレー構造を大面積に形成する技術の開発を行った.シリカ基板上にスパッタリング法によりシリコン薄膜を形成した後,その上に形成したポリスチレン球のhexagonal arrayをマスクとしてシリコン薄膜をエッチングした.エッチング時間を制御することにより,シリコン薄膜上にシリコンナノディスクアレーを配列したmonolithic型構造を実現した.作製した構造の透過スペクトルと反射スペクトルから吸収スペクトルを得,シミュレーション結果との比較を行った.その結果,目的とする構造が得られていることが明らかになった.作製したデバイスの光電流スペクトルを測定したところ,シリコンのバンドギャップよりも長波長の領域においてアナポール状態による狭帯域な光電流ピークが観測された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の目的であるシミュレーションによる構造探索とその作製方法の確立を高いレベルで達成することが出来た.
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今後の研究の推進方策 |
計画通り順調に研究が進んでいるため,今後も当初計画に従って研究を実施する.
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