研究課題/領域番号 |
21H01866
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
愛知 正温 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 講師 (40645917)
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研究分担者 |
田部 一憲 公益財団法人東京都環境公社(東京都環境科学研究所), 環境資源研究科, 研究員(移行) (80816075)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 逆解析 / 透明模擬地盤 |
研究実績の概要 |
本研究では、粘性土の除荷過程における一時的収縮において、①粘性土内に発生したサクションの影響、②粘性土の不均質性の影響、③不十分な圧密排水の影響を考える。 今年度、数値解析のパートでは、有限要素解析コードを塑性変形も計算可能なように改良した。さらに、本研究では未知の変形現象も含まれる可能性を考慮して、数値シミュレータで考慮していない変形現象が実験データに含まれる場合に対応した逆解析手法の理論的検討と仮想問題での検証を行った。その結果、未知の現象と数値シミュレーションで再現されるべき現象を分離しつつ、逆解析を行う手法の実現可能性が示された。 室内実験のパートでは、透明な模擬粘性土地盤を用いた可視化手法を用いて実験的に検討する場合に必要な物品を選定した。①一気に除荷することで不飽和化してサクションが発生し、有効応力や降伏曲面が変化し、収縮する様子を可視化するためには透明性が長期的に維持することが可能な模擬地盤が必要であるが、当初のシリカゲルやシリカパウダーについても吟味したが、最終的に高分子ポリマーを選定して調達した。②弾性率の不均質性とポアソン効果により、一部の膨張が他の部分の収縮を発生させているかどうかを画像解析することが可能な2次元PIV解析プログラムを選定して調達した。③一部で圧密排水が完了しておらず、除荷過程においても収縮が継続していることを画像撮影できる高速度カメラを選定して調達した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数値解析シミュレータについて、予定通り開発できているほか、本研究において含まれる可能性がある未知の変形現象の存在を想定した逆解析手法について検討を行うことができた。 また、実験装置の設計について再検討を行い、必要な物品を購入して組み立てに取りかかることができた。
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今後の研究の推進方策 |
実験面では装置の組み立てを完了し、予備実験を進めて装置の能力や計測安定性等の確認を進めるとともに、必要に応じて装置を改良し、着実に実験結果を得られる実験システムの構築を進める。 また、数値解析シミュレータを用いて、実験内容を想定した予備解析をいくつか行い、実験計画の策定に貢献することで、数値解析と実験の融合的に進めて、研究のさらなる推進をはかる。
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